橋板が流される「流れ橋」

流れ橋
京都の南、八幡市と久御山町の間を流れる木津川に、洪水時には橋板が流される流れ橋があります。

流れ橋流れ橋は、正式には上津屋橋(こうづやばし)といいます。時代劇の撮影場所としても有名で、「流れ橋」の名前だけは知っているという方も多いのではないでしょうか。架けられたのは昭和28年と比較的新しく、渡し舟の代わりとして架橋されました。しかし、丈夫な永久橋とするほどの費用が無かったため、橋は木造で作られ、水害時にはあらかじめ橋板が流れることで損傷を最小限にして、橋板を回収して修理をすれば再利用もできるという「流れ橋」の構造が採用されました。

流れ橋橋は歩行者と自転車の専用として、現在も現役です。橋が架かるのは、堤防から木津川の河川敷に降りた場所からということで、橋の周りからは近代的な建物が見えなくなり、木造で全長356・5mもの長い橋の風情が古い時代を思わせるため、時代劇の撮影に好んで使われるようになりました。ただ、2014年1月現在は、昨年の台風18号で橋板は流されたまま。橋を渡ることはできません。今のところ、ゴールデンウィークの復旧を目標に、近日中に工事が始まる予定です。

流れ橋流れ橋はその構造ゆえに、昭和28年の架橋以来、たびたび洪水によって流されてきました。具体的には過去61年間のうち、20年で流された実績があります。平均すれば3年に1回ではあるものの、最近は2011年から3年連続で流されており、1回約3500万円という復旧費用がかさむことが問題となっています。京都新聞の記事では「府民の税金を木津川に流しているようなものだ」という厳しい声もあがっているそうです。

流れ橋2010年には、20枚程度の橋板をワイヤーでつないで固定し、かつ橋げたとワイヤーロープで結ぶユニット化の工事も行われました。これにより、洪水時にはまとまった単位の橋板が筏のように浮かんで、回収し易く、かつ損傷も少なくなって、復旧費用を抑えることができるそうです。しかし、たびたび流れてしまうことは頭の痛い問題かもしれません。木津川の流域である南山城は、集中して雨が降ることが多く、普段の穏やかさが嘘のように、大増水することもあります。特に近年は温暖化によって雨量が増えつつあるため、今後も流される頻度は高いかもしれません。とはいえ、永久橋にするには20~30億円の費用がかかるそうで、それはそれで交通量などを考えると現実的ではなく、簡単には結論が出ない問題です。

流れ橋流れ橋は高い知名度を持つ八幡市の貴重な観光資源として、少なくとも今年は復旧します。実は私も、流された後にしか訪れたことがないのですが、今年は是非、橋が架かったら訪れて見たいと思います。木津川沿いはサイクリングロードにもなっていますし、バスですぐ近くまで行くこともできます。また、橋の近くにある流れ橋交流プラザ「四季彩館」に車を置くこともできますので、機会がありましたら足を伸ばしてみて下さい。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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