狸谷山不動院の初不動

狸谷山不動院 初不動 笹酒接待
1月28日に、狸谷山不動院で初不動が行われ、ガン封じのご利益があるとされる笹酒の接待がありました。

狸谷山不動院狸谷山不動院といえば交通安全のご利益で知られ、京都では車に貼られているオレンジ色ステッカーの御守りをよく見かけます。狸谷山不動院はその「狸」の名前がユニークで、関西でも知られた存在で、広く信仰を集めています。ただ、その場所への道のりはなかなか険しく、急な坂道と本堂まで250段もの階段を乗り越えなければたどり着くことはできません。このブログでは、雪景色7月28日の火渡り祭をご紹介しました。

狸谷山不動院 初不動狸谷山不動院は、桓武天皇の勅願で平安京の鬼門の守りとして創建されたと伝わり、狸という字は鬼門から入り込む悪鬼を叱る「咤怒鬼(たぬき)」とも書かれ、咤怒鬼不動明王として信仰を集めました。以後修行場として各時代の記録が残りますが、明治期に一時衰退。その後、地元有志の方によって再興され現在に至っています。ご利益は交通安全に加え、ガン封じが特に有名で、悪鬼退散のイメージから来ていると思われます。1月28日の初不動では、ガン封じの笹酒接待があり、多くの方で賑わいます。普段ならば車での来訪をお勧めしますが、それでは現地でお酒を口にすることはできませんので、この日ばかりは歩いていくのがよいでしょうか。

狸谷山不動院 初不動なお「一乗寺下り松」の辺りからシャトルバスも出ており、駐車場まではこれで行くこともできます。ただ、250段の階段は己の足で登る他ありませんので、頑張りましょう。本道では恐らく30分おきに護摩供養が行われていて、そのタイミングの境内はたくさんの人で賑わいます。笹酒は、正月中にお不動様に供えられたものが、この炎で温められて授与されます。

狸谷山不動院 初不動笹酒は、江戸時代の木食上人が境内の滝の水を青竹に入れて病人に飲ませたところ、病人が回復したという故事にちなむもの。青竹に含まれるクロロフィルやビタミンCなどにはがんを抑える効果があるとされ、がん封じの笹酒として人気を集めています。笹酒授与のすぐ横ではがん封じのお札も1500円で授与されており、お札の購入者には、修験者による祈祷も行われています。京都でもがん封じのご利益は珍しく、他では新京極の蛸薬師堂があります。

狸谷山不動院 初不動 笹酒接待私も笹酒を頂きましたが、なみなみと注いで頂きました。実は、この笹酒には「狸谷飲放題」という異名もあり、希望すれば何杯でも飲むことができます。また、一般的な杯ではなく、輪切りにした青竹の杯に注いでいただくこともでき、人気でした。ただ帰りの下りの階段が待っていますので、飲みすぎには十分ご注意下さい。また、寺務所では車で来られた方などのために、持ち帰り様の笹酒も販売(大:1000円、小:500円)されていました。昔は個々人で容器を持参していたそうですが、現在は寺で用意したものでしか持ち帰りは不可となっています。

狸谷山不動院 初不動 笹酒接待笹酒を頂いた後、タイミングが合えば是非本堂に上がって、お不動さんを間近で拝んで下さい。護摩供養の合間ならば、普段は遠くからしか拝めないお不動さんの目の前で手を合わせることができ、本堂の奥が洞窟状になっていることや、目がギョロリと光っているお姿もよくわかります。はるか昔から多くの方の信仰を集めてきたお不動さんの姿は、凄みがある一方で、どこか優しい表情にも見えました。初不動の笹酒接待は9時から16時まで。機会がありましたら、初不動に足を伸ばしてみて下さい。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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