立春寒波 寒さの中に春を探す

立春 青蓮院の木漏れ日
2月4日は立春。「そろそろ春の気配を感じられるころ」です。今年は寒波がやってきて厳しい寒さとなりました。3日の節分までの方がむしろ春らしかったですが、是非この寒さの中にも春を探してみて下さい。

立春 鴨川まずはお知らせから。2月6日(木)に、KBS京都ラジオの「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演させて頂くことになりました。時間は、朝の7時10分過ぎから十数分間です。初めてですので、恥ずかしながら私の身の上話が主になるようですが、気象予報士っぽいことや、京都の災害について知って頂きたいという思いもお話すると思います。よければお聞きください。

京都 平均気温の平年値さて、2月3日は節分でした。私は今年も取材にあて、朝の平野神社から深夜の吉田神社の火炉祭まで、あちこちを回ってきました。また、講座などで詳しくご紹介できる日が楽しみです。順次、ブログにも書いて行く予定です。そして本日4日は立春。いよいよ暦の上では春に入りました。立春は気象の世界でも大きな転換点で、平均気温の平年値においては気温が上昇に転じてくる頃なのです。

立春 平安神宮 大鳥居冬至から立春までは太陽の光は強くなれども、平均気温は下がり続けていましたが、それがいよいよ上昇を始め、光も気温も一緒になって本格的に春を目指していくのです。平均気温では、この先8月初めの立秋まで気温は上がり続けることになります。年に2回しかない大きな転換点の一つが立春。古人の考案した二十四節気の妙には感嘆させられます。

東福寺今年は立春に合わせたかのように寒波がやってきました。特に明日(5日)は、予想最高気温が4℃と今シーズン一番の寒さとなる見込みです。2月1日~3日はいずれも最高気温が15℃以上でしたので、ずいぶんと体にこたえる寒さと気温の変化。まるで節分が分けたのは「冬→春」ではなく「春→冬」のようです。体調を崩されぬよう、十分にご注意ください。

知恩院 三門立春の報道では「暦の上では今日から春ですが・・・」というくだりをよく耳にします。今年は立春寒波がやってきましたので、なおさら「春なのに寒い」「春は名のみ」の意味で立春が引き合いに出されます。しかし、立春はそもそもが真冬の寒い時期にあるものですので、その例えには疑問を持ちます。このブログの読者にはおなじみですが、立春の本来の意味は「そろそろ春の気配を感じられるころ」なのです。真冬の寒さの中に「ほのかな春」を感じるのがこの時期の季節の楽しみ方です。

知恩院 三門ということで、立春の京都の風景を今日の写真として載せています。いかがでしょうか。日差しの明るさに「春」を感じませんか?冬至のころより約40分も日の入りの時間は遅くなり、日の出の時刻も30分程早くなっています。こうした日脚の伸びは「光の春」と呼ばれています。もとはロシアの言葉だそうで、氷点下何十℃を普通に記録するような地域では、一見変わらぬ銀世界の中でも、日に日に増していく朝の輝きや室内への日差しから「春は光から」を身にしみて感じるのでしょう。日本でも、まだまだ寒い今の時期には、近づきつつある本格的な春を後押しする言葉となっています。

北野天満宮 紅梅昨日、北野天満宮を訪れると、梅の花もほころび出していました。花も次第に増えて色彩も豊かになり、ゆっくりと、しかし確実に華やかな春が近づいてきます。立春はまさにその足音に気が付けるころで、よくよく周りに気を配ってみると意外と多くの「春」を見つけられると思います。私は青蓮院の楠からの木漏れ日の明るさに、立春最初の「春」を感じました。これから次の「雨水(うすい)」の節気(2月19日)まで、約2週間が立春の期間です。皆さんも、身の回りの春を探してみて下さい。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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