京都にも近年、超早咲きの桜があちらこちらに植えられています。先日、泉涌寺の雲龍院を訪れると、参道に1本の早咲き桜が植わっていました。植えられて間もなく、花を咲かせるのは今年からだそう。お寺の方によると、種類は河津桜ではなく四国系の桜だそうですが、詳しくは分からないとのことでした。いずれにしても、まだつぼみの遅咲きの梅が境内に残る中で、ひと際早く花を咲かせる桜は目を引きますね。
さて、淀といえば「京都競馬場」が圧倒的に有名かもしれません。歴史的には「淀城」が築かれ、豊臣秀吉の側室「淀殿」は淀城を産所としたところから、そう呼ばれました。現在は、淀殿の時代とは別の場所に江戸時代に築かれた城の石垣が残されています。淀水路の河津桜は2002年に初めて植えられ、次第に植樹が進むと2006年に「淀さくらを育てる会」が発足して、街おこしとして河津桜が植えられていきました。今では、淀駅を下りたバスターミナルの植木にも河津桜があります。
現在、一帯の河津桜は160本を超えているそうで、特に淀水路に面して多くの桜が植わっています。私が訪れたのは21日で、発達した低気圧のため雨が降ったり止んだり、日差しが戻ったりと変わりやすい天気。風も強く傘をさすのが難しい程でしたが、桜はなんとか散らずに頑張ってくれていました。雨上がりの青空はとても美しく、濃いピンクの河津桜は大変綺麗でした。やはり日差しがあるときの方が桜が映えます。
足もとには草の緑が出始めていて、菜の花の黄色も鮮やかでした。淀水路の河津桜は、地元の方の努力もあって次第に有名になりつつあり、私のように写真を撮りに訪れている方もチラホラとお見かけしました。今後も少しづつ木は増えて行くと思いますので、京都の3月の名所として定着していくとよいですね。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。