5月15日に葵祭が行われますが、9日の時点では週間予報は雨マーク。傾向を解説します。
葵祭の路頭の儀が5月15日に行われ、平安装束に身を包んだ総勢約500名の行列が、京都御所から下鴨神社、上賀茂神社へと向かいます。しかし、今の時期の天気は周期変化が基本で雨に当たってしまう年もあります。15日が雨だと行列は16日に順延されます。5月15日の過去20年(1994年~2013年)の晴天率(日中に雨が降らない確率)を調べてみると65%で、過去30年まで広げても66.6%とほぼ同じ。およそ3年に1回は雨が降る割合です。葵祭にとって雨は珍しいことではなく、むしろ念頭に置いてあらかじめ予定を考えておく必要があります。
近年では、2012年と1997年が16日に順延となり、2003年・2002年・2000年は御所から下鴨神社までは行列が進み、そこで打ち切りとなりました。気象台の予報によると、今年は5月15日から16日のどこかで雨が降る可能性が高く(今のところ15日)、今年も順延か途中で打ち切りの可能性が高まっています。実は、雨に濡れた衣装のクリーニングには数百万円から1000万円もの費用がかかるため、順延や打ち切りの判断もいたしかたないことでしょう。
もし15日と16日の両日とも雨の場合は完全に中止となります。戦後では、1995年に1度ありました。この時は葵祭のヒロイン斎王代が行列できないのは可哀想ということで、翌年も同じ方が斎王代に選ばれています。今年は、15日の雨のあと、16日は回復をしてくる見込みですので、中止の可能性は低いと私は見ています。毎年天気にやきもきさせられる葵祭。今年も、16日への順延や途中での打ち切りを念頭に観覧を計画して下さい。なお、天気傾向は必ず最新の予報をご確認ください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。