先日、散策の下見で宇治を訪れてきました。平等院の鳳凰堂が古色を取り戻し、屋根には金色に輝く鳳凰が乗りました。目立つ姿になった分、平等院の外からでもその姿に気が付きやすくなりました。
この時期の平等院は修学旅行生を中心に大賑わいです。私も小学校の修学旅行で訪れた記憶があります。その時には、源頼政の「扇の芝」の話をされたことが妙に印象に残っています。まさか20年を経て自分がそこをガイドしているとは夢にも思いませんでしたが(笑)平等院の象徴である鳳凰堂は10円玉の図柄としてもおなじみで、建物が鳳凰が羽を広げたような姿に見えるところから、江戸時代以降に鳳凰堂と呼ばれるようになりました。正確には阿弥陀堂といいます。
平等院の象徴とも言える鳳凰は、様々な生き物が合わさって形作られた想像上の鳥で、中国では新たな天子(皇帝)が現れた時にこの世に降り立つとされ、京都では金閣寺舎利殿の上に立つ鳳凰も有名です。平等院のように一対で置かれる鳳凰は、俗に雄と雌があるとも言われますが、平等院では区別はないとされています。ちなみに平等院の鳳凰の姿は1万円札に印刷されています。10円玉を出して一緒に写真を撮る学生さんはいますが、さすがに1万円札を出す学生さんは見かけませんね。
さて、金色の姿が目立つようになった分、平等院の外からはこれまで以上にその姿が目に入って来るようになりました。きっと今までも見えていたのですが気が付かなかったのでしょう。JR奈良線からも見えますし、朝霧橋の正面からも見えています。平等院周辺のあちらこちらから見つけることができますので、宇治を歩く際には、平等院の方角を探してみても面白いでしょう。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。