この時期にハナミズキに似た花を咲かせるのがヤマボウシ。街中でも時々目にしますが、例年、京都市美術館の前の木が見事です。だんだんと夏の気配が強くなってくる今の時期に、まるで雪が積もっているかのような美しい光景を見せてくれます。個人的には、この花が咲くと「平安神宮の神苑無料公開の頃」だと認識します(笑)今年は6月6日が無料公開日。京都市民はよく御存じで大いに賑わいます。
ヤマボウシは、ハナミズキと同じ種族(ミズキ科ミズキ属)ですので花がよく似ています。ただ、花の時期は異なっており、ヤマボウシの方が遅く咲きます。また、ヤマボウシは花の先が手裏剣のように尖っているのも特徴。決定的な違いは、ヤマボウシは葉が出てから花が咲きますが、ハナミズキは花が咲いてから葉が出てきます。そのため、ヤマボウシは緑と白の取り合わせが美しく、まるで雪が積もっているかのように見えるのです。
ヤマボウシは日本原産、ハナミズキはアメリカ生まれという違いもあります。ハナミズキはワシントンに桜が送られた返礼として日本に届けられ、数を増やしていきました。余談ですが、実は花のように見えているのは、本当は花ではなく苞(ほう)と呼ばれる部分で、本当の花は中央部分にあったりしています。紫陽花の真花と同じでトリビアですね。いずれにしても、美しいものに理屈は無用。お近くに行かれた際は、その見事な姿を愛でて頂ければと思います。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。