5月としては記録的な高温となっていますが、無鄰菴では、川の流れや室内からの眺めが涼しげです。
31日の京都の気温は33.6℃まで上がり、5月としては過去134年分の観測記録の中で3位に入る高温となりました。雰囲気は梅雨明け後の真夏のようです。ただ、蝉の声は聞こえず、空気は乾いて朝晩が涼しいところがまだ5月です。黄砂も飛んで空がかすんでいる部分も、まだ季節は真夏というよりも春に近いことを示しています。
まだ暑さに体が慣れていないため、熱中症には十分に注意して下さい。私もかつて熱中症になったことがありますが、体の半分だけがしびれるという体験をしました。何か変調が現れたら、無理をせず日陰で休息をとり、水分・塩分の補給を行って下さい。口が渇く前に、水分・塩分を多めに摂っておくことや、日傘や帽子などで直射日光を避けることも大切です。
暑い日が続くので涼しげな場所を求めて、無鄰菴を訪れてきました。無鄰菴は、総理大臣も務めた山形有朋の別荘で、七代目小川治兵衛が手掛けたお庭です。園内には琵琶湖疏水から水が引かれ、小川が流れて三段の滝もあり、涼しげな雰囲気があります。今の時期は緑が大変に美しく、室内からゆっくりと眺めるのにもよいお庭です。
園内には少しですが皐月も咲いていました。暑さの中で、花だけが正しい季節を知らせてくれているようです。今の時期に梅雨入り前ならば、天気は周期変化をしやすいはずですが、今年は大気の流れがよどんでいて、晴天が長く続いています。そしてこの先は、反動で曇りや雨が続きやすくなる見込みです。梅雨入りをさせるかは微妙ですが、いずれにしても今年は大気の流れがいつもとは違っていて、それはすなわち災害への危険度が高まっていることを示しています。今後も、気象情報には十分にご注意ください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。