連日お届けしている京都のサツキ(皐月)の風景。今回は智積院です。
まずはお知らせから。この度創刊された「ことりっぷマガジン」。京都特集を担当された「らくたび」さん経由で、私の写真も何点か使って頂きました。ありがとうございます。京都の魅力が満載の内容となっていますので、よければご覧になってみて下さい。雑誌は、季刊とのことです。
さて、智積院も京都ではサツキの美しい寺として名高い場所です。実は個人的にも何年も前から智積院のサツキを見たいと思っていましたが、花の特性を理解していなかったため、終わっていたり咲いていなかったりと縁がなく、ようやく今年は念願がかないました。名勝庭園は有料拝観エリアにあり、座って眺める池泉観賞式の庭園です。その庭の南側を中心にサツキが咲いています。
智積院は、豊臣秀吉が幼くして亡くなった鶴松を弔うために創建した祥雲禅寺の場所に移ってきたお寺です。名勝庭園はその秀吉時代に築かれたものを受け継ぎ、江戸時代に修築されて現在に至っています。池の中に大きな築山があり、その上に石や刈り込みを配して深山の趣を造りだしています。この築山は中国の廬山を象り、今の時期は新緑やサツキが彩っています。
祥雲禅寺時代の庭の面影は、名勝庭園の南側に残されていると伝わり、ちょうどサツキが絵になる一角でもあります。サツキは見頃の見極めが非常に難しい花ですが、この日(4日)は綺麗に咲いてくれていました。池は建物の下に入り込むという面白い構造になっており、縁側に座ってお庭を眺めたり、あるいは室内奥から額縁状に眺める光景が定番です。
近くの京都国立博物館では6月15日まで「南山城の古寺巡礼」展が開催中で、人気の三十三間堂もありますので、智積院もそこそこ人がいます。写真は拝観終了間際に人がいなくなった時に撮っていますので、実際にはもっと人が多いところはご注意ください。なお、6月15日には「青葉まつり」があり、庭園が無料公開されます。その日はかなり賑わいを見せます。機会があれば、訪れてみて下さい。
散策・講座のお知らせ
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。