清浄華院の畳供養 2014年

清浄華院 畳供養
4月25日に、清浄華院(しょうじょうけいん)で畳供養が行われました。

清浄華院 畳供養今回も過去の行事の紹介です。4月・5月とお陰さまで忙しい日が続き、なかなか書くことができませんでしたが、少しづつ行事もまとめておきたいと思います。さて、清浄華院の畳供養は昨年(2013年)から始まった新しい行事です。京都では「○○供養」と呼ばれる行事が様々にあり、人形供養、針供養、筆供養、数珠供養、かぼちゃ供養などが有名でしょうか。畳供養も近い将来にそうした「○○供養」の一環として注目を集めると思い、見に行ってきました。

清浄華院 畳供養清浄華院は浄土宗の京都四箇本山(しかほんざん)の一つで、そのルーツは平安時代の清和天皇の時代に、慈覚大師・円仁が創建した禁裏内道場にさかのぼるという高い格式を持つお寺です。皇室とのつながりを示すかのように現在も御所の東にあり、幕末には孝明天皇の信任を得た松平容保の宿所としても使用され、山本覚馬がいたこともあります。そんなお寺には120畳もの広い畳の広間を持つ大殿という建物があり、畳職人さんや業者さんからは親しみを込めて「畳寺」と呼ばれているそうです。

清浄華院 畳供養畳供養は、全国畳産業振興会が清浄華院の協力を得て行う行事です。千年もの間、日本人の生活を支えてきた畳を供養する目的ではじまった日本初の行事だそう。護摩木のかわりに、事前に全国から公募で集められた「供養したい畳の思い出」が書かれたハガキと畳職人が願いを書いたという「畳の護摩ゴザ」が、古畳で作った「畳の菰」に投げ入れられ、炎で焚かれて供養されます。

清浄華院 畳供養行事は全国畳産業振興会による進行で、マスコミの取材も入っていて力の入れようが伺えます。まずは「畳の菰(畳で作られた護摩の囲い)」に「畳 世界へ前進」の文字が書かれました。TPPによる貿易促進を期待し、畳が世界へ輸出されることを願っての意気込みのようです。続いて清浄華院の僧侶らにより、読経が行われ「畳の菰」に火が入れられます。

清浄華院 畳供養やがてもうもうと煙と炎が上がり、「南無阿弥陀仏」の声が境内に響く中で「供養したい畳の思い出」が書かれたハガキなどが護摩木の要領で炎の中へと放り込まれていきました。一般的に護摩木を燃やすという行為は、書かれた願いを炎や煙に乗せて天上界へと届ける最速の手段ともされ、あるいは不動明王の炎になぞらえ煩悩を焼き尽くして昇華するという意味合いも含まれています。

清浄華院 畳供養 畳のお守りこうして儀式が終了すると、参列者に「畳のお守り」が授与されました。先着100名とのことでしたが、数には余裕があり余っているとのことで、私も複数枚頂きました。また、10名に限り1m四方ほどの「縁起畳」も頂けます。この畳は供養の最中、畳職人と思しき方々の手によってずっと護摩の炎にかかげられていたもので、きっと煙で清められているのでしょう。

清浄華院 畳供養 縁起畳と私今回は運よく知り合いの方から権利を譲って頂き、縁起畳の最後の1枚を頂戴することができました(ありがとうございます)。私の部屋はフローリングですので、ちょっとだけ畳気分を味わうことが出来てます。まだ新しい行事の畳供養。春の京都の風物詩として定着をして行くとよいですね。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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