県神社の県祭り その2 梵天渡御

県祭り 梵天渡御 ぶんまわし
6月5日夜から行われた宇治の県神社(あがたじんじゃ)の県祭り。6日未明には梵天渡御が行われました。

県祭り 梵天渡御県祭りは「暗闇の奇祭」と呼ばれ、その所以が深夜に行われる「梵天渡御」です。県神社のご祭神であるコノハナサクヤヒメが丸い形の御幣に宿り、そこに梵天と呼ばれる屈強な男が片手でしがみ付いて一体化し、そのまま神輿に担いで進みます(以下、梵天と呼びます)。一般には丸い形の御幣を梵天と呼んでいますが、地元の方は男の方を梵天と呼んでいました。

県祭り 梵天渡御梵天渡御は本来、宇治神社御旅所から県神社での神遷しを経て宇治神社へ渡御し、県神社へと戻るという経路で行われていましたが、神輿を担いでいた県祭奉賛会と神社との関係がこじれ、近年は県祭奉賛会と神社側とで別々の梵天が巡行するという、分裂状態になっていました。しかし、2014年は県祭奉賛会が梵天渡御を自粛したため、神社側のみの梵天渡御となりました。神社の梵天渡御は、神社前の交差点で「ぶんまわし」等を行うのみですので、来年以降、かつてのように巡行が再開されるのかが注目です。

県祭り 梵天渡御県祭りは夜店と人出がすごいと書きましたが、それも午後10時まで。その時間を過ぎると一斉に夜店は撤去され、県神社で神事が始まる23時半過ぎには、あらかた片付け終わり、数時間前の賑わいが信じられないように静かな通りになります(ただ、ゴミが散乱して大いに荒れていますが)。さて県神社では、23時半からまず梵天の前で神事を行います。例年は県祭奉賛会の方に多く入る取材陣が、今年は神社側の行事に多く来ていました。それでも夜店の賑わいに比べれば、ずいぶんと人は少ないです。神事の後、梵天を担いでご神木の周りを3周し、拝殿前に安置します。そして午前0時きっかりに、梵天へと神を遷す神事が境内の電気を全て消して行われます。当然フラッシュも厳禁。何かを行っている様子は、暗闇の中でもうっすらと目では見えています。

県祭り 梵天渡御 横ぶり神遷しが終わると、いよいよ梵天が担がれて境内を出て行きます。境内の鳥居を出ると、フラッシュでの撮影も解禁です。梵天は境内南西の交差点で「横ぶり」「縦ぶり」「ぶんまわし」を行います。ここが祭りの最大の見せ場で、辺りには地元の方が大勢集まってきていました。横ぶりは梵天を横に勢いよく倒し、縦ぶりは同じく梵天を縦に倒します。そして「ぶんまわし」は、梵天を勢いよく回転させます。かなりの勢いがあるため梵天は回転しながら動いて行きます。カメラに夢中になっていると危険が迫ることもあるのでご注意を。

県祭り 梵天渡御 ぶんまわし「ぶんまわし」が最大の見せ場とあって、たかれるフラッシュが凄まじいです。街灯の明かりもあり暗闇なのは神遷しの時だけでしょう。深夜ですが取材陣も多いため、こうした事態になるようです。プロの方でも(プロの方だからか)、平気で前に割り込んで来るなどマナーの悪い方もおられました。話がそれましたが、横ぶり・縦ぶり・ぶんまわしは、やはり大変迫力があります。横ぶりの時には、梵天の先が地面に付くほどにまで傾けている場面もありました。あとで見せて頂きましたが、しがみ付いている方は筋肉がものすごく、生半可な人間では遠心力で振り落とされてしまいそうな勢いで梵天は振られています。

県祭り 梵天渡御 縦ぶりこうして20分程、梵天が振られて盛り上がったあと、再び梵天が境内に戻されて一旦梵天を当初の場所に戻して神事を行います。そして、休憩時間を挟んだあと、梵天の丸い御幣の部分だけを本殿前(拝殿内)へと運んで、再び神事を行います。梵天の移動の際は境内の灯りが消されフラッシュ撮影は禁止されます。本殿前での神事では、玉ぐしの奉納やお神酒のふるまい(担ぎ手のみ)、会長の挨拶などもありました。

県祭り 梵天の幣が配られる全ての神事が終了すると、梵天の丸い御幣から紙が抜き取られ、参列者に授与されました。この紙には縁結びや子授けのご利益があるのだとか。時刻は午前1時過ぎですが、女性もわりと多く待機していて、梵天から抜き取られた紙を受け取っていました。私も少し頂きました。祭りの形態は、昔とは変わっている部分もあるようですが、この紙の授与は昔ながらかもしれません。

県神社の犬 ぺぺそして解散となって境内からも人が減り、片付けに入りました。私はホテルに泊まるのでゆっくり残っていると、突然、県神社の犬「ぺぺ」が現れました。人懐こいようでちょっと人見知りなところが可愛らしく、私も境内を訪れるたびに探してしまいます。3年前に一度このブログでもご紹介しました。地元の方によると、もう10年以上いるそうです。個人的には最近姿を見る機会がなかったので、元気そうで安心しました。さて、県祭りの梵天渡御は遅い時間ということもあり見るのは大変ですが、見ごたえはあるお祭りです。今回は動画もありますのでご覧ください。なお、フラッシュが点滅していますのでご注意ください。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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