さて、いよいよ7月も目前で、京都は祇園祭の雰囲気が高まってきています。今年は49年ぶりに「後祭(あとまつり)」が復活し、24日の山鉾巡行や21日~23日にかけての宵山など、17日が過ぎても山鉾行事を楽しむことができます。さらに150年ぶりに後祭の「大船鉾」が復活し、祭りは歴史的な転換点を迎えて、大きな話題となっています。京都旅屋でも祇園祭講座を開催し、多くの方にご参加頂きました。資料の販売も行っていますので、ご希望の方はお問い合わせください。
等持院は、立命館大学の南にあり、金閣寺や龍安寺とあわせて訪れることができます。比較的静かにお庭を楽しめる場所です。寺は足利尊氏が足利氏の菩提寺として再興し、尊氏の墓や歴代将軍の木像が並ぶ霊光殿などが見どころです。方丈南の枯山水や、方丈北の東西二つの池からなる庭園も素晴らしく、東側の庭は天龍寺や苔寺の作庭で名高い禅僧・夢想疎石が手掛けたとも伝わる楓の美しい庭です。
現在は方丈北側の東庭の池の周りで半夏生(ハンゲショウ)が純白に色づいています。京都では半夏生の庭として建仁寺の両足院が近年人気ですが(昔の静けさは失われましたが)、他にも穴場はいくつか点在をしています。半夏生は、この時期に葉の表側を白く染める不思議な植物。半夏生は半化粧と書くこともでき、緑の葉を一部だけ残して白く変化する様子から「半分だけ化粧をした」、つまりハンゲショウ(半化粧)と呼ばれるようになったとする説があります。
また夏至の日から数えて11日目からの5日間は「半夏生」という期間(七十二候)ですが、田植に適した時期としてかつての日本では大切にされていました(あるいはこの日までに田植えを終えるとも)。その半夏生の時期を知らせるかのように花が咲くため、植物の名前になったともいわれています。現在は梅雨の時期に目を楽しませてくれる植物として知られています。
等持院の半夏生は「穴場」で、半夏生が綺麗なことを知っていて訪れる方はまだ少ないでしょう。この日もお庭は「貸切」の状態で楽しめました。緑の美しいお庭は歩くたびに風景が変化して、奥に行くのが楽しみに感じます。そして半夏生の涼しげな白が、庭の緑にもよく調和していました。まだ見頃は続きますので、よければ足を延ばしてみて下さい。
散策・講座のお知らせ
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。