まず台風情報。台風は、次第に西寄りに進路予想が変わってきました。8日に沖縄本島近海を通過した後、西日本を向いて進んできます。特に沖縄や九州は警戒が必要です。今回の台風の特徴は「勢力が強い」こと。目先、海水温が高い海域を通過するため、沖縄近海に至るころには「非常に強い(最大風速50m/s)」勢力に達する見込み。日本近海は海水温が低いですが、台風としてはしっかりした状態のまま近づいてくる見込みですので、9日から10日にかけてどこへ進むか、最新の進路情報には注意をして下さい。
さて、祇園白川の風景は社寺を除いた街中の風景としては京都屈指の美しい光景でしょう。祇園のエリアは広く、四条通南の花見小路界隈は多くの観光客で賑わっていますが、北側の祇園白川まで足を延ばす方は少数です。白川南通や新橋通界隈の町家や石畳の風情は、多くの方が憧れる「京都」そのもの。しかも人が少なく、この時期はガイドブックの中の風景に入り込んだかのような写真を撮ることもできるでしょう。
祇園白川の象徴といえば、吉井勇の「かにかくに碑」です。「かにかくに 祇園は恋し 寝(ぬ)るときも 枕の下を水のながるる」の歌が刻まれた碑で、「かにかくに」には「あれこれと」「とにかくに」という意味があります。歌の意味としては、「あれこれと祇園は恋しい 寝るときも枕のすぐ下を水が流れている」といったところでしょう。
明治43年5月、吉井勇23歳(実年齢)の時、生まれて初めて得た原稿料10円を持って訪れたのが人生3回目の京都。友人と遊んだ祇園で、この歌は生まれました。祇園への大いなる感動を詠んだこの歌は評判となり、吉井勇は歌人としての地位を築いていくことになります。若き日の一首が、その後の勇の人生を開いていったのですね。勇は、京都での歌を数多く残しており、各地でその歌を刻んだ碑を目にすることができます。
緑の美しい祇園白川。私も大好きで、人力車を引いていた頃にはよくお客様に勧めていました。巽橋の北にある「祇園小森」のパフェは絶品で、休憩もできます。祇園白川は、雨でも晴れでも美しい風景に確実に出会える場所ですので、界隈散策の際には是非、足を延ばしてみて下さい。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。