祇園祭 鷹山と布袋山、休み山にも注目を

祇園祭 鷹山
京都は祇園祭で大いに賑わっていますが、今年の話題の一つが150年ぶりに復活する大船鉾です。実は、まだ他にも鷹山布袋山という二つの休み山があり、宵山では復興に向けてご神体を公開したり、ご朱印の授与などが行われています。

祇園祭 布袋山今夜(15日)から、夜店も並んで四条通は歩行者天国となり、賑わいは最高潮に達して来ました。昨日までとは人の量が全く違い、一方通行の通りもあって道の土地勘や戦略がないと、効率的に山鉾を巡るのは難しくなってきています。今年復活することで話題の大船鉾は後祭(あとまつり)の鉾ですので、宵山は別途21日~23日に行われ、現在はまだ鉾が出ていませんのでご注意を。

大船鉾 木組みの上でのお囃子山や鉾の復興にはたいへんな資金が必要で、具体的な資料が残っていない場合は改めてその姿を歴史的に検討をせねばならないなど、町内の労力も相当なものです。大船鉾が復興に至るには、多くの方の努力や熱い思いがありました。24日は白木での巡行とのことですが、150年ぶりの復興に、関係者の思いはひとしおなのではと思います。なお、大船鉾は、元は「凱旋船鉾」と呼ばれており、復興にあたっては前祭(さきまつり)の船鉾を実測して、大きさは1.126倍と一回り大きい姿で制作されています。

布袋山のご朱印実は、大船鉾の他にも休み山が二つあります。一つは「布袋山」。蛸薬師通室町西入るにある前祭(さきまつり)の山で、その来歴は不明なところもありますが、1788年の天明の大火で焼けてしまい、ご神体である布袋像のみが現代に伝わっています。16日までの宵山期間中はマンションの一角にご神体を展示し、粽や護符、ご朱印の授与が行われています。前祭では最も北の山にあたり、今年は人の流れが少々厳しいかもしれませんが、一生懸命に頑張っておられますので、ぜひ足を延ばしてみて下さい。ご利益は「子孫繁栄」「壽福増長」で、私はなかなかよいご利益だと思います。

祇園祭 鷹山もう一つ、今年はお囃子が復活することで話題なのが「鷹山」です。後祭の山で、三条通室町西入るにあります。今夜、190年ぶりに復活したというお囃子が公開されました。残念ながら私は取材に行けませんでしたが、明日(16日)以降のニュースで話題になることと思います。お囃子復活の契機は、大船鉾や後祭の復活だそう。北観音山の囃子方も務められた地元の方が復活した囃子方のリーダーを務め、稽古を重ねて今日の日を迎えました。山は最後の巡行参加から200年の節目となる12年後の2026年までの復興を目指しているとのことです。

祇園祭 鷹山鷹山は昨年までは15日・16日に、三条通室町西入るにあるメガネ屋さん「大学堂」にて会所飾りを行っていましたが、今年は22日17時~22時と23日17時~23時で公開されます。一般への粽の授与はありませんが、ご朱印は頂くことができますので、足を延ばしてみて下さい。3体の立派なご神体人形は向かって左から「鷹匠(たかじょう)」「樽負い」「犬飼い」で、中でも樽負いが粽を食べようとしている造形は、たまらなくユニークです!実は手が動くからくり仕掛けで、往時はさぞ人気があったろうと思わせてくれます。

祇園祭 鷹山に寄贈された見送り会所飾りでは、菊水鉾をはじめ山鉾の懸想品を担った皆川月華が復興の際に使用してほしいと寄贈した鷹の見送りも見ることができ、いつか山が復活してくれたらと私個人も毎年思いながら、微力ですがお金を置いています。一方で、祇園祭を紹介するホームページは複数ありますが、布袋山や鷹山まで紹介をしているページは少なく、公式資料として例年宵山で配られる「山鉾参観案内書」にも、残念ながら休み山は掲載されていません。休み山は朱印を出しているのですが、市販のご朱印帳でも朱印を押すための場所が無いものが散見されます。私個人としては、せめて情報だけは載せて頂ければと願って止みません。鷹山も布袋山も、今年本格的に復興する大船鉾のようにいつか巡行に復帰する時が来てくれることを、一人の京都ファンとして願っています。ぜひ、皆様も休み山に足を延ばしてみて下さい。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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