梅雨が明け、いよいよ真夏。ということで、今回は涼しげな京都の滝をご紹介します。
山に囲まれた京都は、山沿いに滝があります。また、庭園にも小規模な滝が造営されている場所があり、探すと以外と「滝」と名が付くものが見つかります。法金剛院の青女の滝や大覚寺の名こその滝などは、枯れ滝ですので今回は除外し、水が流れている滝をピックアップしています。不動系や稲荷系の行場にも打たれるための滝がありますが、そちらも小規模なものは除外しました(有名な清水寺の音羽の滝は入れました)。一方で、堰堤でも涼しげな写真は載せています。
京都近郊で最も大きい滝は愛宕山麓の「空也滝」ではないでしょうか。月輪寺への登山道の付近から空也滝への分かれ道があります。愛宕山に登れる人ならば簡単に行くことができるでしょう。空也がこの場所を行場として開き、滝に打たれたというところから名付けられた空也滝。落差は約12mで水量も多く、夏はさぞ涼しいのではと思います。
もう少し観光地に近い場所にある滝では、大原の「音無しの滝」がよいでしょう。良忍(りょうにん)をはじめ、声明(しょうみょう:お経に音律を付けたもの)法師は、この滝に向かって声明の練習をしました。はじめは滝の音にかき消されてしまいますが、修練を積むに従って滝の音と声明の声が調和し、最後には滝の音が聞こえなくなって「音無し」になるといいます。声は出せば出すほど喉が鍛えられて声量が大きくなりますので、さもありなんという伝説です。滝の場所は、来迎院から山道を10分程歩くと行くことができます。
もっと手軽に行ける滝はないのか?と思った方は、円山公園がよいでしょう。夏は止められていることもありますが、有名観光地の中にある滝は周りに涼を与えてくれます。滝の場所は公園の山側、東の方にありますので探してみてください。有名寺院では金閣寺にある龍門の滝も、水しぶきと飛ばして涼しげ。他にもいくつかありますので、しばし暑さを忘れられそうな、滝の写真をお楽しみください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。