8月16日は五山の送り火が行われました。昼間は1時間雨量が87.5mmに達する猛烈な雨が京都市街地でも降り、過去109年の観測記録の中で歴代2位の1時間雨量を記録しました。
昼の京都は猛烈な雨に見舞われました。私はちょうどご案内を終えて帰る途中でしたが、全身ずぶぬれになりました。あとから各方面の写真を見ると、ご案内していた拾翠亭の辺りや烏丸丸太町は一面浸水していて驚かされました。また、下鴨納涼古本まつりの会場である糺の森も水浸しとなってしまったようで、本に被害が出ていないかが心配です。
さらに堀川通では、下水管が地下で破損したのか、道路が盛り上がり、水が噴き出すという尋常ならざる映像も報道されていました。水の圧力でマンホールがずれたところもあったようです。他にも高架下など水がたまりやすい場所で車が立ち往生したり、道路が水の流れで破損したりという場所がありました。今回の雨は過去109年で歴代2位という87.5mm/hもの猛烈な雨によってもたらされました。ちなみに歴代1位は88.0mm/hですので、ほぼ歴代1位並みの雨が降っていたことになります。
先日出させて頂いたKBS京都ラジオの「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」でも警戒を呼びかけていましたが、前線が停滞することによって大気の状態が非常に不安定となり、局地的な「集中豪雨」が発生してしまいました。豪雨災害は、梅雨や秋雨、台風によってもたらされるというイメージが強い分、8月の前線による不安定性の集中豪雨は不意をつかれる形になりやすく、さらにイベントや人の移動も多い時期にあたるため、災害危険度は高いといえます。17日も引き続き急な激しい雨に見舞われる可能性がありますので、雨の降り方には十分にご注意ください。
昼間の雨を受けて、開催が危惧されたのが五山の送り火。送り火はイベントではなく、先祖の霊を送る宗教行事ですので、雨が降っても雷が鳴っても、基本的には開催されます。ただ、点火の時間帯に大雨になってしまうと、時間が遅れたり最悪順延となることがあります。1963年は、五山のうち大文字だけ、大雨により17日に順延となりました。今回も点火の時間帯に激しく雨が降る可能性もありましたが、運よく雨にほとんど降られずに無事に開催することができました。私は「法」「妙」「船形」「松ヶ崎題目踊り」と見ることができました。今年も何とか無事に終えることができて、安どしています。関係者の皆さま、本当にお疲れ様でした。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。