高台寺の圓徳院 北政所ゆかりの北庭と光が差し込む茶室

高台寺 圓徳院
先日、高台寺の圓徳院に訪れてきました。秀吉の妻・北政所「おね(ねね)」ゆかりのお寺です。

高台寺 圓徳院 北庭高台寺とあわせて拝観していただきたいのが圓徳院です。単独での拝観は500円ですが、高台寺とあわせて拝観をすると900円で両方入ることができます。高台寺単独だと600円ですので、実質200円引き。しかも高台寺の絵ハガキまでいただけます。高台寺のお庭はその多くが歩いて楽しむのに対し、圓徳院のお庭は建物内に座ってゆっくりと枯山水のお庭を眺める形。それぞれのペースで落ち着いて過ごすことができます。

高台寺 圓徳院 北庭北政所・おね(以下、おねで統一)は、高台寺を創建するころ、秀吉と過ごした伏見城の化粧御殿とその前庭を現在の圓徳院の地に移して住んでいました。おねの死後、御殿は永興院という寺に改められ、のちに化粧御殿は高台寺に移され、前庭はおねのおいである木下利房が創建した圓徳院の所管となって現在に受け継がれています。ということで、圓徳院最大の見どころは、伏見城から受け継がれているお庭。「北庭」がそれにあたります。大きな岩や石橋が並ぶ様子が桃山時代の豪胆さを伝え、秋には紅葉も見事。伏見城にあった頃は池泉回遊式庭園でしたが、現在は枯山水の庭園となっています。

高台寺 圓徳院 南庭圓徳院のお庭はカップルにもお勧め。清水寺や八坂神社は座ってゆっくり眺めることは基本的にはできませんが、この圓徳院では疲れた足を休めて国の名勝にも指定されている素晴らしい庭を眺めつつ時を過ごせます。北庭のみならず、入ってすぐの方丈前に広がる南庭も美しい枯山水で、こちらも人気が高いです。また、方丈内の襖絵は赤松燎画伯の遺作で、戦国という乱世の荒波から天下統一を果たした秀吉が白龍のイメージで表され、描かれる虹は慈悲深いおねを表しているのだとか。さらに、長谷川等伯の出世作となった障壁画の複製も裏側には展示をされていて必見です。

圓徳院 茶室圓徳院のもう一つのおすすめは、北庭の脇に立つ茶室で頂くお抹茶(500円)です。なんと、本格的な茶室の中でお抹茶と頂くことができるのです。北庭に面する北書院で受付を済ませたら、北庭の脇に下り、桧垣の手水鉢を経て、にじり口からお茶室に入ります。中は三畳台目の広さで、現代人では普段はなかなか体験するのことのない狭さ。人工的な明かりはなく、窓からの光が室内を照らします。そのため、その日の天気やその時の光の加減で、室内の雰囲気は変化していきます。

圓徳院 茶室お抹茶は点て出しのお薄で、オリジナルのひょうたん型のお菓子で頂きます。ひょうたんは秀吉の旗印ですね。また、お茶碗は圓徳院のご住職が制作したという「楽茶碗」。圓徳院の印も押されていますので、器にも注目してみて下さい。この日訪れたのは夕刻で、私がこの日最後の来客でした。「どうぞ、ごゆっくり。」と、他に誰もいない茶室の中で貴重なひと時を過ごさせていただきました。広い京都の中でも、本格的な茶室で常時お抹茶を頂ける場所はほとんどありませんので、お時間のある方は是非体感してみてください。茶席の時間は午前10時~午後4時です。

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