城南宮の神苑は楽水苑と呼ばれ、源氏物語に登場するほとんど全ての草木花が総勢100種以上も植えられていることから「源氏物語 花の庭」とも称されているお庭です。春先には神苑の一つ「春の庭」に見事なしだれ梅が咲き誇り、桜と見まごうような春爛漫の風景を見せてくれます。他にも「平安の庭」「室町の庭」「桃山の庭」「城南離宮の庭」と、雰囲気の異なる様々な顔を持つ見ごたえのあるお庭。作庭したのは、昭和の小堀遠州とも言われる中根金作で、京都では妙心寺の退蔵院や三室戸寺、全国的には島根県・足立美術館のお庭が知られています。
先日訪れた時は、平安の庭の苔の美しさが目にとまりました。ちょうど光が差し込んでキラキラと輝いていて、見事な光景。この苔庭で11月3日14時から行われるのが「曲水の宴」で、箏の生演奏による美しい音色が響くなか、曲がりくねった小川(遣水:やりみず)にお酒の入った杯を流し、目の前に流れ来る前にその日の題に沿った歌を詠み、酒を飲むというものです。
歌を詠む歌人の着物は、男性は狩衣(かりぎぬ)、女性は小袿(こうちき)という平安装束。杯を乗せた羽觴(うしょう:おしどりの姿を象った盃台)を運ぶのは水干(すいかん)姿の童で、ゆったりと流れる羽觴に象徴されるように、時間の流れまで違うかのような雰囲気があります。見に来られる人も多く、周りは混み合っていますが、珍しい行事ですのでよければ足を延ばしてみてください。
散策・講座のお知らせ
※散策・講座等のご依頼はこちらから!お気軽にご連絡ください。
- 10月22日(水)【受付中!】
笑顔あふれる出発前の「時代祭」 京都御苑を散策 - 10月22日(水)・26日(日)【講座を受付中!】
≪晩秋の京都を楽しむ≫(11月のお勧め社寺と行事) - 10月24日(金)夜【受付中!「ことぶら」さんにて開催!】
豪華な山鉾と秋の夜に響くコンチキチン♪「亀岡祭」の宵宮へ! - 10月26日(日)【受付中!「ことぶら」さんにて開催!】
どこに行くか分からない100%アドリブガイド!ルーレットを回して京都の碁盤の目を練り歩きましょう! - 10月29日(水)・11月2日(日)【講座を受付中!】
≪京都の紅葉 徹底解説 第2弾!≫ - 11月1日(土)【受付中!「ことぶら」さんにて開催!】
【セミナー】気象予報士が解説!今日から役立つ天気予報の見方!
ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。