亀岡祭は亀岡で行われている秋祭りで「口丹波の祇園祭」とも呼ばれるように、京都の祇園祭さながらに11基の山鉾が出て駒形提灯が灯り、祇園囃子が響くお祭りです。山鉾が出るようになったのは江戸時代とのことで、京都の祇園祭の影響を多分に受けて来たため共通する部分が多くあります。明確に違うのは、祭りの時期が亀岡祭の場合は10月下旬と寒い時期に行われるということ。特に宵宮へは暖かい服装でお出かけください。
今年は念願のご案内で訪れることができました。ご参加いただきまして、ありがとうございました。亀岡祭は鍬山神社の祭礼で、亀岡盆地を鍬で切り開いたという鍬山大明神=大己貴命(オオナムチノミコト)をモチーフにした鍬山、同じく鍬山神社に祀られる八幡神をモチーフにした八幡山など、11基の山鉾が亀岡の城下町に並びます。大己貴(オオナムチ)は、因幡の白ウサギ伝説もあって神の遣いはウサギとされ、一方の八幡神の神の遣いは鳩とされているため、亀岡祭の提灯や神輿などにはウサギと鳩の図柄が描かれています。
ご案内に先立って、個人的に11基全ての山鉾を巡って朱印を集め、景品のカレンダーをいただいてきました。亀岡祭は3年連続で、毎年の恒例行事のようにもなってきましたが、何度でも訪れたくなるお祭りです。古い街並みが残る亀岡の城下町の風情の中に山鉾の駒形提灯が灯る様子はたいへん美しいものがあり、京都の祇園祭とは一味違った魅力にあふれています。
今回注目したのは鍬山の破風の下に造られているウサギの彫刻。祇園祭の月鉾にある左甚五郎作のウサギの彫刻とそっくりで、亀もちゃんと共通して作られています。詳しい由来はわかりませんが、恐らく京都の祇園祭の月鉾のウサギを真似て作っているのでしょう。亀岡の方の祇園祭への強いあこがれも伺い知ることができるようでした。
亀岡祭の山鉾の懸想品も立派なものが数多くありますが、祇園祭と違うのは一見舶来品のようでも実は日本製というものが多いこと。西陣織の綴れ織りで異人の姿が描かれた見送りにも江戸時代の物があり、発注の経緯などを想像してみるのも面白いですね。祇園祭のようで祇園祭でない、違っているようで似ているという、祇園祭ファンにはぜひ一度見ていただきたい興味深いお祭りです。10月25日には山鉾巡行も行われて、くじ改めや辻回しもありましたが、こちらは今年も仕事で見に行くことができませんでした。また来年以降、チャンスを待ちたいと思います。
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≪京都の紅葉 徹底解説 第2弾!≫
ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。