先日、宮川町の町家カフェ・ろじうさぎさんのイベントで、茶香服(ちゃかぶき)に参加して来ました。
茶香服は、何種類かのお茶を飲んで、その銘柄を当てる遊びです。歴史的には抹茶を用いるのが本来の姿だそうですが、現在は煎茶や玉露を用い、一般の方が参加する際には分かりやすいように玄米茶などを使うことがあります。全国のお茶の業者さんが参加する大会もあって、こちらは茶業界の方が真剣勝負で挑まれるそう。成績上位は名誉でもある一方で、プロである以上、成績が悪いことは許されない厳しい戦いなのだそうです。
今回は遊びですので、花鳥風月客の5種類のお茶を飲み比べて当てる遊びを3回繰り返し、その合計点を競いました。詳しくは、花が100g3000円の玉露、鳥が同じく1000円のかぶせ茶、風が同じく1000円の煎茶、月が同じく400円の煎茶、客が同じく400円の玄米茶の5種類で、それぞれ事前にお皿に入った茶葉を見てから勝負となりました。今回は宇治の小倉から「吉田銘茶園」のご夫妻にお越しいただき、本場の宇治茶で行いました。事前には見分け方のポイントなどヒントもたくさんいただけるなど勉強にもなりました。
さて、勝負では煎じ手が適当に順を変えて茶を煎じ、配り手がそれぞれにお茶を配って行きます。湯の温度によってもお茶の味や見た目が変わりますが、今回は熱い湯で統一して出しているとのことでした。そして手元のお茶を花鳥風月客のどの種類のお茶か、見た目の色、香り、そして味で判別をし、自分の見解が決まるとその茶の札を札箱に入れて行きます。同じ要領で2番目、3番目と判断をし、その結果を5点満点で判定します。5点は「皆点」といい、0点は「ちょっと」というそうです。今回はヒントもいただけましたので0点の方はおられませんでした。
第1ラウンドが終わると、同じようにまた順番を変えてお茶が出され、合計3ラウンドの合計点で競われました。続けてお茶を飲んでいると段々と舌の感覚がおかしくなってきて、最初のころの味と変わってきてしまい、特に3ラウンドは当てるのが難しかったです。そのため真剣勝負の場面ではできるだけ口にせずに香りや見た目で判断をするのだそうです。参加者は皆さん首をひねりながら、楽しんでおられました。
さて今回の結果は、実は私が優勝してしまいました。普段お茶を飲まない身分で恐縮です。最初にいただいた見分け方のコツやヒントがありましたので、そのおかげで判断をすることができました。迷う場面は運の要素もありますが、それでも玉露の甘みのある美味しさと煎茶は明らかに味が異なり、お茶のおいしさや奥深さを感じさせていただきました。よい経験をさせていただきました。茶香服が終わったあとに少し温度の低いお湯でいただいた玉露はさらにおいしかったです。お茶を飲む方は少なくなっているそうですが、こうした機会を通じてお茶の魅力が少しでも広まればと思いました。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。