12月6日・7日に、鳴滝にある三宝寺で大根焚きが行われました。
鳴滝の三宝寺は洛陽十二支妙見の「戌」の寺やペット供養の寺として知られているでしょうか。京都の寺院の中でもマイナーな部類に入りますが、創建は江戸時代のはじめという日蓮宗の寺で、春の桜や秋の紅葉が美しく、豊臣秀頼と淀殿の供養塔も残されているなど見どころの多いお寺です。
大根焚きは、日蓮上人を偲ぶ祈祷会と御会式(おえしき)に合わせて行われ、三宝寺では、日蓮上人、日朗上人、日像上人の御真骨を御開帳し、一年の罪汚れを落とす「厄落としの祈祷」が行われます。三宝寺は普段は静かなお寺ですが、大根焚きもある法要の時には多くの参拝者で賑わい、一般の方でも気軽に参拝をして大根焚きをいただくことができます。
三宝寺の大根焚きでは柚子(ゆず)の皮を混ぜた「柚子ご飯」も一緒にいただくことができるのが特徴です。三宝寺によると、大根焚きは日蓮上人より伝わる中風除けの秘法とされ、柚子も体を温める良薬として日蓮が珍重したものなのだそう。柚子ご飯とは珍しいですが、まさに今の時期の旬の食材です。昨年は門前まで来て食べずに帰ってしまったので、今年は迷わず食べに来ました。
大根焚きは700円(持ち帰り用は800円)、柚子ご飯は800円、大根焚きと柚子ご飯とのセットは1500円(持ち帰り用は1600円)です。今回はセットをいただきました。受付を済ませて奥の部屋へと通されると、ほどなく柚子ご飯と大根焚きが出てきました。それぞれ見た目もおいしそうです。まずは気になっていた柚子ご飯から。口に入れると芳しい柚子の香りが広がって、思っていた以上においしいです!ご飯だけでもパクパクと食べてしまいました。一緒についているお漬物を食べるとさらに柚子の香りが強くなります。
そして肝心のお大根。色も濃く、よく味が染みていそうですが、想像通りお味も抜群でした!京都各地で5-6か所は大根焚きを食べてきましたが、その中でも最も鮮烈な「おいしい!!!」という印象を与えてくれました。一口食べて感動し、もう一口食べてもやっぱり感動します。まさに絶品のお大根。柚子ご飯とあわせて、そのおいしさを堪能させていただきました。三宝寺の大根焚きは、例年12月の第1土日に行われています。福王子の交差点から無料の送迎バスも出ていますので、機会がありましたら、足を延ばしてみてください。
散策・講座のお知らせ
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。