3月3日はひな祭り。上巳(じょうし、じょうみ)の節句とも呼ばれる節目のひとつで、桃の節句の名でも親しまれています。古代中国では厄を払う禊の日でもあり、一方で日本では田植の前に穢れを払うという意味を持つ日でもありました。京都各地でひな祭りの行事が行われ、下鴨神社の流しびな、市比賣神社のひいなまつり、三十三間堂の桃の春桃会(桃の法会、無料公開)などが有名です。貴船神社では五節句ごとに神事が行われており、3日は桃花神事が行われます。
午前11時からの神事では、先着30名が拝殿内に参列することができます。今回は運よく最前列で見させて頂きました。拝殿内にはひな人形も飾られ、この日神前に献じられる特殊神饌を再現したものも置かれていました。悪霊を払う桃の花に加えて”こぶし”の枝が供えられていますが、かつては”こぶし”の花が咲くと田起こしを始めたからなのだそう。神事は撮影禁止のため写真などでご紹介は出来ませんが、本殿の扉が「ぎぃ~」と響く音や、篳篥(ひちりき)の音色、優雅な豊栄の舞など、なかなか間近では見ることができない神事の雰囲気を感じることができました。
最後の直会(なおらい)で参列者全員にも頂けたのが草餅です。貴船に伝わる物語には「桃の花は鬼の眼に似ていることから、鬼の眼を飲むということで酒に桃の花を入れて飲む。草餅は鬼の肉の代わりとしてこれを喰う」などと記載されていて、本格的に暖かくなる時期を前に厄を払う意味合いがあります。しかし「鬼の肉」と聞いてから食べる草餅はなかなかの食感。これでこの春も無病息災で過ごしていきたいですね。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。