5月のある日、美しい環水平アークが見られた機会がありました。京都らしい風景と一緒に眺めてみました。
環水平アークとは、太陽の下方の薄雲の一部が虹色に輝く現象で、薄雲があり太陽が高い春から夏にかけてみられます。太陽が低い秋や冬、雲がないときには見ることができません。薄雲が必須条件ではありますが、薄雲が出ていても見られないことのほうが多いです。上空の薄雲は暖かい時期でも氷の粒でできており、この氷の粒が六角板の形(プレート状)になり、かつ一様に六角板の平たい部分をしたに下にしたまま落下してくるときに太陽の光が分離をして虹色に見えます。
また環水平アークが出現するときの太陽の高さの範囲は決まっているため、緯度経度と日付が分かれば太陽高度を計算して「いつ出るか」が分かります。つまりやみくもに空を見上げずとも、きちんと時間を知っていれば効率的に眺めることができるのです(興味のある方は他のサイトなどで調べてみてください)。実は今回の環水平アークは、事前に「出そうだ」と思い、空をチェックしていました。
5月は環水平アークが出やすい季節。その理由は省略しますが、外出にも適した時期に比較的空の低い場所に現れる環水平アークは、多くの人の目にも触れ、ニュースでも紹介されます。空の不思議を感じていただくにはよい現象です。さて、今回は美しい環水平アークが出ましたので、早速京都らしい風景と一緒に眺めてみました。
まずは二条城。東南隅櫓と一緒の風景。江戸時代にもきっと同じような場面があったことでしょう。二条城に続いては平安神宮へと向かいました。平安神宮は朝廷の政治の中心地を再現した建物が並んでおり、平安京の時代にもきっと同じような光景があったのではないかと思わせてくれました。梅雨の時期は雲が厚いことも多いため環水平アークは出にくくなりますが、チャンスがあれば空を眺めてみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。