愛宕神社 千日詣り 朝御饌祭と人長の舞

千日詣り 人長の舞
愛宕神社千日詣り。今回は後半の朝御饌祭の人長(にんじょう)の舞の様子です。

千日詣り 人長の舞昨日は夜21時からの夕御饌祭(ゆうみけさい)をご紹介しました。登山者は深夜から未明にかけてどんどん増え、本殿前では順次火除けの祈祷も行われます(有料)。やはりお子さんの御祈祷が多く、一生分の火難除けという信仰の厚い神社であることを感じます。子どもさんは深夜かつ山登りということもあって眠ってしまう子たちも多く見かけました。

千日詣り 鎮火神事さて、午前2時から本殿前で朝御饌祭(あさみけさい)が行われます。朝御饌祭では神に神饌を奉納し「人長の舞(にんじょうのまい)」も披露されます。また、小さな火を焚き、その火を消す独特の鎮火神事も行われます。この鎮火神事をきちんと見るには本殿前の席の前の方ないし中央付近に座らないと難しく、かなりの運を要します。基本的には神職さんと関係者、信奉者が優先となり、一般の方は席が空いていれば座れるというもの。今回はかなり運がよく、これ以上ない席で見させていただくことができました。なお、写真撮影はOKであることを関係者に確認をしたうえで撮影させていただきました。ただしフラッシュはNGです。

千日詣り 人長の舞神事の中で舞われる人長の舞は、とても優雅な舞です。人長とは宮中で神楽を舞う舞人の長のことで、ここでは武官の装束を身につけて舞を舞います。手に持つ榊には丸い木製の輪がついていますが、これは三種の神器の一つの神鏡を表しています。舞にあわせて一音一音を長く延ばしながら歌が歌われているのも印象的。今回の舞で歌われたかは私の耳では定かではありませんが、人長の舞には「其駒(そのこま)」という名の歌があります。「其駒ぞや 我に我に草乞ふ 草は取り飼はん 水は取り 草は取り飼はん」。駒(馬)が草を乞い、その馬に草を与え水を与えといった意味の不思議な歌。いずれにしても深夜に響く歌声と優雅な舞には、非日常の世界を感じずにはいられませんでした。

千日詣り 鎮火神事舞の最中には、小さな火を焚きあげます。見える方は限られていますが、今回は奇跡的に正面で見ることができました。人長の舞はこの火が焚かれる中で行われ、まさに火の神が降臨しているかのよう(実際にそういう意味あるのかはわかりません)。幻想的な光景の奥で、優雅な舞が繰り広げられていきました。やがて人長の舞が終わると、火は水をかけられて消されます。最後にまるでお餅のような石を置くところも印象的。鎮火神事ということだからか、厳重に鎮火されていたように感じました。

千日詣り 愛宕神社さて、午前2時を過ぎても愛宕神社の境内は大賑わい。火除けのお札は飛ぶように売れていきます。また、朝日を待ってか寝袋やシートを持ちこんで仮眠をとる方も大勢いました。境内に座り込んでも怒られないところはとても大らかです。この日の気温は、午前3時過ぎで25℃あり、3年前の同時刻の21℃よりも4℃も高くなっていました。それでも長袖の方がベターかもしれません。風はこの日はほとんど吹いていませんでした。

朝の清滝朝御饌祭を見て、そこから境内を少し歩いて下山をすると、午前5時過ぎに清滝に下りてくることができます。明け方は露が降りて足元が滑りやすくなります。転倒をする方を何人も目にしましたので、十分に気を付けて下山をしてください。普段から歩き慣れていない方は、下山の方も相当厳しいと思います。バスの運行は午前5時半からの予定ですが、少し早めに動きだしていました。トンネルは依然として歩くことができませんが、バス待ちの長い行列が伸びるので、試峠を越えて歩いていく人も多くいます。私も最後、試峠を最後のひと踏ん張りで越えて愛宕念仏寺近くの駐輪場まで戻ってきました。体力勝負の千日詣り、さらに朝御饌祭には運も必要ですが、十分な装備と体力で挑戦してみてください。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。

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