久世六斎念仏 蔵王堂光福寺にて

久世六斎念仏
8月31日に、JR桂川駅の東にある久世の蔵王堂光福寺にて久世六斎念仏が奉納されました。

久世六斎念仏京都の夏の風物詩と言えば六斎念仏踊り。京都近郊の農村部に伝わっているもので、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。その多くが観客を楽しませる芸能的な要素が強い芸能六斎で、様々な演目で見る者を魅了します。個人的には今年の夏はなかなか六斎念仏を見に行く機会に恵まれず、なんとか8月31日にようやく見に行くことができました。この日は蔵王堂光福寺の八朔祭で、参道には露店が並び、地元の子どもたちで大変な混雑となります。露店の間を通り抜けるのはかなりの時間を要しますのでご注意を。

久世六斎念仏京都の六斎念仏はどこも後継者不足に悩んでいますが、久世六斎念仏はその中では比較的人数は多く、子ども六斎もあって後継者の育成にも取り組んでおられます。今回奉納された蔵王堂光福寺は、観光ではまず訪れることがない寺院だと思いますが、春の桜は美しく、近くには祇園祭の久世駒形稚児を出すことで知られる、綾戸国中神社もあります。JR桂川駅ができてからはずいぶんと行きやすくなりました。寺は平安時代に浄蔵貴所が開き、村上天皇の祈願所にもなった由緒を持ちます。本尊は蔵王像で、境内は木々に囲まれ、仁王門の先にお堂が並んでいます。

久世六斎念仏さて、久世六斎念仏は、大人の六斎念仏の奉納が19時半から。その前に子どもの六斎も奉納されています。久世六斎念仏は特に太鼓の演目が充実しています。様々な題名の太鼓のみの演目が続いていき、やがて定番演目の「四つ太鼓」が始まりました。同じリズムを人が変わるたびに叩きますが、どんどん早くなっていくため、子どもから大人までが参加できます。早打ちはまるでドラムを叩いているようです。

久世六斎念仏また「祇園囃子」も人気の演目。祇園祭で奏でられるお囃子に旋律がやや似ていて、コンチキチンの響きは祇園祭を思い出させてくれますが、太鼓に動きがあるぶん見ごたえがあります。この演目が人気の理由は途中から乱入してくる、ひょっとこやお亀さんなどの面白い動き。地元の方は大爆笑でした。お亀さんは子孫繁栄を願ってか、ものすごい腰の動きをします。下ネタが苦手の方は、動画はご遠慮ください。こうした風景も古くから受け継がれて来たのでしょう。

久世六斎念仏再び太鼓の演目が続き、最後に「獅子太鼓」が行われます。六斎念仏の定番である獅子が登場する演目で、その動きはリアル。獅子は2人がかり演じられ、アクロバティックな動きで驚かせてくれます。最大の見せ場は5段もの碁盤の上に立っての逆立ち!!天井に付こうかという程の高さで拍手喝采が送られていました。

久世六斎念仏ひとしきり盛り上がったあと、獅子が寝ている隙に現れるのが土蜘蛛。獅子を起こしてしまうと、獅子は暴れまわりますが、多量の蜘蛛の糸を吐いて退治するという筋書きです。意図は両手で2回+さらに付け直して2回と合計4回も。しかも舞台の脇からは直接観客に向かってもまいてくれます。蜘蛛の糸の先には重りが付いており、これを財布に入れておくとお金が貯まると言われているため、子どもたちを中心に皆さん拾っていました。こうして盛況のうちに終了した久世六斎念仏。地元感の強い、そして笑い声の多い、熱気を感じる六斎念仏でした。今年は見られませんでしたが、子ども六斎も来年以降に見に来られればと思います。



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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。

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