粟田祭 夜渡り神事 大燈呂 2015年

粟田祭 大燈呂
10月11日に、粟田神社の粟田祭が行われ、今年も大燈呂(だいとうろ)が巡行しました。

粟田祭 大燈呂粟田神社の粟田祭は、千年の歴史を持つ、見どころが多いお祭です。剣鉾や神輿が出る神幸祭の前日の夜に行われるのが「夜渡り神事」。そこに登場するのが、大きな燈籠である大燈呂(だいとうろ)です。大燈呂は約180年前に途絶えましたが、2008年に京都造形芸術大学の協力で復活しました。学生たちが青森のねぶたをイメージして作った灯籠があまりに見事であったため、神社が依頼をして作成したそう。復活に際しては古文書を調べ、氏子への聞き取り調査も行って燈籠のテーマを決めるなどされているそうです。今年は「ことぶら」さんで、夜渡り神事のご案内もさせていただくことができました。ご参加いただきまして、ありがとうございました。

粟田祭 大燈呂さて、毎年新作が登場するのも大燈呂の楽しみのひとつ。私も毎年ワクワクしながら見に行っています。今年は5基が新調され、昨年に続き合計10基もの立派な行列です。モチーフはいずれも神社とその周辺にまつわるもので、学生たちの力作ぞろい。その由緒を想像してみるのも面白いですが、個々の大燈呂の紹介チラシも配られていました。

粟田祭 大燈呂夜渡り神事では、大燈呂は知恩院の黒門前にある瓜生石(うりゅうせき)の辺りに進み、石の前では「れいけん祭」が行われます。瓜生石は知恩院ができる前からあると伝わる石で、知恩院の七不思議のひとつとしても知られています。この石に八坂神社の牛頭天王(スサノオ)が降臨して、一夜のうちに石の上に瓜が生えたとされています。

粟田祭 大燈呂また、二条城への抜け道だとか、隕石ではないかという説もある不思議な石。その石から生えた瓜についていたお札に粟田神社の旧名である「感神院新宮」と書かれていたとされることから、瓜生石で儀式が行われています。「れいけん祭」は、粟田神社と知恩院との合同行事で、比較的珍しい神仏習合の儀式形態を色濃く残す祭事とあって、今年も多くの方が辺りを囲んでいました。大燈呂は毎年見に来たくなる秋の行事のひとつです。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。

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