「宇治田楽まつり」は、平安時代の芸能「田楽」を現代風に再現した踊りです。かつて宇治の白川には「本座」と呼ばれる芸能民の集団があり、奈良や京都の祭礼で田楽を演じていたと伝えられることに由来します。田楽は能や狂言が広まることによって次第に忘れ去られていき、宇治からも姿を消しました。
現在の宇治田楽まつりは、田楽の復興を目指して1998年から行われるようになりました。当初は野村万之丞氏作の「楽劇大田楽」の公演でしたが、2001年からは市民手作りのオリジナル作品「宇治田楽」の制作を開始し、「楽劇大田楽」と併せて公演そして、平成2003年にはついに「宇治田楽」の単独公演を行い現在に至っています。
宇治田楽は市民による創作の踊りという要素も強く、宇治のウサギにちなんだ跳ねるような動きや、名産のお茶の茶摘みを意識した動きなど各地に宇治の独自色が見られます。参加されている年代も幅広く、子どもから大人までがとても楽しそうに踊っていました。今年初めて見ることができましたが、演劇的な部分もあり、踊りはアクロバティックで人間の持っている力強さ、エネルギーを感じました。
普段から練習を重ねてこの日を迎えているのだと思いますが、完成度も高く、魅了していただきました。後半では見物客に飴の入ったおひねりを投げてくださる機会もあり、私も運よくゲットできました。最後は一般の市民も参加をしての「さんやれ」踊り。こちらも大いに賑わっていました。形は違うのだと思いますが、往時の田楽の活気もこうした雰囲気があったのでしょう。人々のエネルギーは純粋にすごいなと感じました。機会がありましたら、ご覧になってみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。