11月8日に伏見稲荷大社で火焚祭があり、数十万本の火焚串が焚きあげられました。
京都の秋は各地で火焚祭が行われます。秋の収穫の後に、伏見稲荷大社では五穀の豊饒をもたらした稲荷大神のご神恩に感謝する祭典で、多くの信奉者で混雑します。13時からの本殿の神事にひきつづき、14時前から千本鳥居手前に入口がある斎場において、全国から奉納された数十万本の火焚串を焚きあげ、宮司以下神職をはじめ一般の参列者の皆さんも大祓詞(おおはらえのことば)を唱えて、罪障消滅、万福招来を祈ります。
伏見稲荷大社の火焚祭は、その規模が大きく、とにかく炎の迫力が凄いです!火床も3つあります。また神職の方の火焚串の「くべ方」も個性的で、両手を上げて放り投げていきます。火が焚かれている最中は大祓詞がほとんどずっと読みあげられており、独特の雰囲気が漂う中で行われています。
一通り読み終わると、神職が榊・塩・水を順に炎に撒いて清め、さらに巫女による神楽が奉納されます。その後は再び大祓詞を皆で唱えます。このセットを3回繰り返します。火焚串の数が膨大ですので、それだけ焚き上げるにも時間がかかります。その間はずっと神事ですので、宗教色が色濃くある行事だと感じました。
さて、火が焚かれる斎場はかなりの人口密度となりますので、少し早めに行って場所をとっておかれる方がよいでしょう。この日は雨模様とあって雨除けのテントの下が人気がありました。火焚きは15時過ぎまで長時間にわたって行われ、最後の方は人が少なくなっていきます。
また、火が焚かれているのとまさに同じ時間帯には、本殿横の神楽殿にて狂言が奉納されています。火が焚かれている間は席が空いていますので狙い目かもしれません。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。