険しい山道の先に建つ峰定寺

峰定寺
先日、花背の山中にある峰定寺(ぶじょうじ)へと足を延ばしてきました。

峰定寺京都検定のテキストには数多くの社寺が載っていますが、京都市にあるお寺の中でも訪れる難易度が比較的高い場所のひとつが大悲山峰定寺です。いちおう徒歩で30分ほど離れた場所にバス停はありますが、基本的には自家用車で訪れる場所ではないかと思います。雪深い場所のため12月~3月は閉門しており、それ以外でも雨天時は入山不可というのも注意点です。

峰定寺峰定寺は、平安時代末期の1154年に、鳥羽法皇の帰依を受けた大峰熊野の修験者・観空によって創建されました。造営奉行は信西、工事には平清盛も関わっています。本堂は日本最古の舞台造りとも称されるように険しい崖にせり出し、その中には鳥羽法皇の念持仏であったという十一面千手観音像が祀られています(原則秘仏、9月17日公開日)。修験の行場として著名な大和の大峯山に対して「北大峰」と呼ばれ、まさに観音霊場にふさわしい険しい立地は、いまでも秘境の寺としての面影を伝えています。

美山荘さて、現地への交通は自家用車さえあれば道は悪くはありません。鞍馬から花背を経由して行くことができます。また、摘草料理で知られる美山荘が門前にあり、テレビでもたびたび紹介されている効果か、立地の割には多くの人が訪れる場所だと思います。峰定寺を拝観すると、まず奥の受付で基本的には荷物を預けていくことになります。山中に入ることを修行と捉えるため、現代的なものは置いていくのです。水分等、必要最低限のものは持って行くことは可能です。杖は貸していただけますので、持って行く方がよいでしょう。

峰定寺ということで、ここから先の写真はありません。準備が整うと、仁王門からいよいよ登山開始です。ちなみにこの仁王門も室町時代の1350年建立という古い建物です。本堂までの道のりはさほど長い距離ではありませんが、傾斜が急ですので足元には十分気を付けながら登り下りをしてください。8割ほど登ると鐘楼があります。お寺の方の話では、六根清浄(ろっこんせいじょう)と唱えながら身を清めるために撞く鐘だそうで、私も撞かせていただきました。山中に鐘の音が響きます。

峰定寺険しい道のりを進んで本堂にたどり着くと、みごとな懸崖造りの柱の様子がわかります。本堂は平安時代の創建時に建てられたものを、仁王門と同じく1350年頃に修理再建したものと伝わり、現像する舞台造りとしては最古の遺構という貴重なもの。本尊は秘仏であるため直接拝むことはできませんが、忘れずに手を合わせておきましょう。そして本堂からは山々に抱かれた絶景を望むことができます。なんとも素晴らしい眺め。往時の修験者もこのような光景を眺めて来たのでしょう。受付時にお寺の方から、本堂では10分は時を過ごして自然を感じてくださいといわれますが、まさに大いなる大自然とその中にいる小さな自分というものを感じられる空間でした。

峰定寺本堂からの非日常の眺めに心が洗われたあとは、お堂を一周して帰ります。お堂の奥に付随している供水所は、最古の閼伽井屋の遺構とされるもので重要文化財にもなっています。こうした貴重なものが残されているのが峰定寺です。下山寺も十分に足元に気をつけて下って行きましょう。なお、拝観受付は15時半が最終で雨天時は入山不可。12月から翌3月までは積雪のため閉門しています。また、貴重な仏像は5月3日前後の連休3日間と、11月3日前後の連休3日間にふもとの収蔵庫で特別公開されます。この時期に訪れるのもよいでしょう。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。

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