五山の送り火 中州のカメラマンは猛省を

中州にいたカメラマン
8月16日に五山の送り火が行われましたが、大雨の中でも中州から動かないカメラマンが何名もいました。命にかかわることですので、絶対にやめて下さい。

増水で流された流木大雨の中で灯された今年の五山の送り火。ご先祖様を送る祈りの炎です。一方で、たいへん絵になる行事でもあるためプロアマ問わずカメラマンからも強い人気がある行事です。それぞれが「作品」として個性を出した写真を撮ろうとしのぎを削るわけですが、大雨の中で「中州」で撮影をするという信じがたい方々が多数おられました。

増水した鴨川16日の京都は上空の寒気と湿った空気の影響で、夕方から激しい雨が断続的に降り、大雨・洪水警報が発表されていました。当然ながら鴨川(賀茂川)も増水する可能性がある中で、中州で三脚を立ててカメラを構えるカメラマンがいました。雨が降っていない段階ではまだ水位は低かったものの、鴨川(賀茂川)は急流河川で急激に河川水位が上昇することもある危険な川。例えば、2004年8月6日の大雨の時には、荒神橋の観測点でわずか10分間で40㎝以上、1時間で135㎝も上昇しています。流域に集中して雨が降る際には、見る見るうちに濁流が流れることもある危ない川なのです。

増水した鴨川この日は、私がいた橋でも19時ころから雨脚が強まってレーダーを見ると、鴨川の流域には広く赤や黄色のレーダーエコーがかかっていました。雨が地面にたたきつけるほどの激しい雨を目にしても、中洲のカメラマンは橋の下で雨宿りはすれども動く気配はありません。その中州を脱出するには、もとから水の流れる部分を歩かねばならず、水位が上昇すれば歩けなくなって取り残される可能性もあります。恐らく、鴨川の怖さを理解されていないのでしょう。

中州にいたカメラマン気象予報士として、もう放ってはおけません。私が直接呼びかけても動かないのではと思い、橋の上で交通整理をされていた警察官に事情をお伝えして、中洲のカメラマンたちに退避するように呼び掛けていただきました。さすがに水位の上昇と身の危険を感じてか、すぐに従って岸に戻ってきてくれましたが、水の流れは速いので足をすくわれる恐れもあり、ほんの数分の判断の遅れで流される可能性もありました。

中州にいたカメラマンその後、やはり水位が上がり、カメラマンがいた中州は水に浸かりました。また今回は雨量も極端に多かったわけではなかったのもあり、結果的にカップルが座る場所(高水敷)が水に浸かるようなことはありませんでしたが、もし五山の送り火で川沿いに多くの人が集まっている時に水位が上がってきたらと考えるとゾッとします。出町柳の三角地帯の飛び石も危ない場所のひとつです。

激しく増水した鴨川 三条大橋から多くの方が鴨川(賀茂川)の危険性を甘く見ています。目の前で激しい豪雨を目の当たりにしてもなお、中州から避難をしないというのは危機意識を持っていないからでしょう。いくら気象台が大雨・洪水警報を発表して注意を呼び掛けていても、受け手のリテラシーが低くては災害は避けられません。鴨川(賀茂川)は急激に水位が上がることのある恐ろしい川です。晴天時ならまだしも、あの状況で中州に居続けたカメラマンたちは、命の危険があったのだと猛省をして頂きたい。どんなに美しい写真を撮ろうとも、危険を冒して撮るなどというのは論外です。1999年には神奈川県の玄倉川(くろくらがわ)で、中州でキャンプをした人々が流されて13名が亡くなるという痛ましい事故も起きています。今回も私はそのことが頭をよぎりました。もう一度繰り返します、中州にいたカメラマンは猛省をしてください。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。

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