10月6日に高台寺で北政所茶会があり、前後で太夫道中が行われました。
高台寺は東山にあって、清水寺とともに高い人気を集めるお寺です。創建したのは豊臣秀吉の正妻であった北政所(きたのまんどころ)です。北政所は通称で、正確な名前は「おね」または「ねね」といい、高台寺前の石畳の道は「ねねの道」と呼ばれて観光客にも親しまれています。10月6日は、ねねの命日で、高台寺では5つの茶席と点心席を1日かけて楽しむ北政所茶会が行われます。有料で事前予約が必要ですのでご注意ください。
北政所茶会には、島原の司太夫さんと葵太夫さんも参加をされ、高台寺へと入る場面と出てくる場面で優美な太夫道中が披露されます。太夫道中はその名の通り、島原の太夫さんが置屋から揚屋へと移動する道中を表しており、現在では諸々の行事に参列する場面として再現されています。島原は現在残る京都の五花街(ごかがい)には含まれていませんが、今も数名の太夫さんがおられます。かつて太夫の身分は10万石の大名と同等の正五位とされ、御所へ上ることも許されていたそう。
日本舞踊や茶道などなどのあらゆる「芸」に秀でていないと太夫を名乗ることはできませんでした。太夫は、美貌だけではなく優れた技能・教養を持つ芸妓の最高位で「芸」でおもてなしをしたのです。その独特の歩き方は「内八文字」といわれており、三本歯の高下駄を履いてつま先を内に向け、足を踏み出します。着物の重さは30kgとも45kgともいわれ、普通に歩くことが難しいため考えだされたのだとか。
太夫さんの所作は非常に優雅で、じっと見ていると時代をさかのぼっているかのような雰囲気があります。高台寺では、毎年10月6日に北政所茶会があり、9時半頃と15時頃から太夫道中が行われています。太夫道中は自由に見学できますので、邪魔にならないように気を付けながらご覧ください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。