新熊野神社のクスノキ

新熊野神社のクスノキ
新熊野神社の境内に、樹齢約900年という大きなクスノキがあります。

新熊野神社のクスノキ新熊野と書いて「いまくまの」と読みます。新熊野神社は、平安時代の末期、後白河上皇の御所・法住寺殿の中に、平清盛が造営した神社です。清盛は熊野権現を篤く信仰していました。清盛がまだ安芸守であったとき、舟を使って熊野へ参詣した際に、大きな鱸(すずき)が舟の中に飛び込んできました。鱸は出世魚で、これは熊野権現のおぼしめしだと修験者が食べることを勧めるので、精進潔斎をしていた身ではあったものの、清盛が自ら調理をして食べたといわれています。

新熊野神社のクスノキその後の清盛の出世は目覚ましく、ついに最高位の太政大臣にまで昇りつめて行きました。熊野信仰は平家だけでなく、当時の皇族・貴族の間にも広がっていて、後白河上皇は生涯に34回も熊野詣をしたそうです。新熊野神社は、清盛が熊野から土砂を運んで創建したともされるほど、篤い信仰心によって築かれました。今も境内のシンボルとなっているのが、熊野から移植され後白河上皇のお手植えといわれる大きなクスノキ。健康やお腹守護のご利益でも知られ、植えた後白河上皇のお腹の病を治したと伝わります。

新熊野神社のクスノキ近くで眺めると街中とは思えない存在感がある大木で、遠くからも目立つ木です。すぐ隣は交通量の多い東大路通ですが、車の排気ガスにもめげずに頑張っているようです。このクスノキは幹の回りに近づくことができ、木の生命力を感じることもできます。お近くに行かれた際は、ぜひ訪れてみてください。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。

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