北丹後地震を起こした郷村断層

郷村断層 樋口地区
1927年3月7日に、京都府北部を震源とする北丹後地震が発生しました。マグニチュードは阪神大震災と同じM7.3、死者・行方不明者は2925名を数える大地震です。その震源断層を訪ねました。

寄付のご報告まず寄付のご報告から。ご報告が遅れましたが、9月・10月に開催した京都の災害をお話する散策の売上金全額に私からも加えまして、熊本地震義援金として2万円、岩手県の台風10号災害の義援金として1万5千円を、10月27日に寄付させていただきました。ご参加ありがとうございました。今後もこうした散策は開催していきたいと思います。

郷村断層京都のみならず、関西の地震を語るうえで忘れてはならないのが「北丹後地震」です。1927年3月7日に発生し、地震の規模はM7.3。死者・行方不明者は2925名を数える大地震でした。震源地の丹後半島では、家屋の倒壊率は7割から9割にも達する揺れの激しさ。さらに運の悪いことに、地震の発生時刻は夕方の食事時で、火災も多数発生し、旧峰山町ではなんと家屋の97%が焼失。町はほぼ全滅状態になりました。この年は大雪で、雪の多い丹後地方での救助活動は難航を極めました。当時の写真では、雪の上に布団を敷いてしのいでいるような方も写っています。

郷村断層被災目撃者の手記「奥丹後震災記」にはこう書かれています。「激震と同時に各所より発した火災は一昼夜にわたり全街をなめつくし、圧死、焼死、見るも狂わしき無残の死体は雨雪にさらされ泥にぬれて随所に横たわっている」。恐るべき惨状が起きていたのです。また、山間部では山崩れ・がけ崩れが多発、90km離れた大阪でも道路の亀裂や泥水の噴出が起こりました。地震当日は高気圧に覆われて晴れていて、京都の観測値では翌8日朝6時の気温は0.6℃まで下がりました。そして春の天気は移りが早く、8日には低気圧が日本海に進んで、夕方から9日にかけてしっかりと雨が降りました。被災者は風雨や寒さで厳しい状況下に置かれていたことでしょう。

郷村断層 樋口地区この時は地震の前に地盤が隆起するという現象が、旧網野町周辺日本海側で起こりました。地震の起こる2時間半前には、海岸が1.3mも隆起、別の場所でも80cmの隆起があったそうです。このように、地震の前には明らかな前兆現象が起こることもあります。例えば、京都でも地震の前に鳴動するといわれているのが将軍塚。実際に将軍塚が鳴り動くという科学的な証拠はありませんが、いつもと違う地鳴りのような音が聞こえたら、注意してもよいでしょう。

郷村断層 小池地区さて、北丹後地震によって郷村断層と山田断層が出現しました。この地震の後の論文で初めて「活断層」の言葉が使われたそうです。郷村断層は、旧網野町から旧峰山町・大宮町にまたがる断層で、現在は、京丹後市網野町の樋口(高橋)・小池(郷)・生野内の3カ所でその痕跡が保存され、国の天然記念物に指定されています。樋口地区の断層は駐車場もあり、最も見学しやすいです。建物内に隆起した断層面が保存されており、目にすることができます。小池地区の断層は、郷村断層が紹介される時には最も多い場所で、水平方向の道路の食い違いが明瞭に残されています。ただし駐車場がないため、ご注意ください。

郷村断層 生野内地区最後の生野内地区の断層跡は、正直オススメいたしません。まず道が狭く、場所も草が生い茂りたいへん分かりにくいです。ただし、この場所では水平方向・垂直方向のずれによって生じた、開口亀裂が保存されています。断層について学びたい方は、運転や行き過ぎに気を付けながら足を延ばしてみてください。びっくりするような場所です。

郷村断層 小池地区北丹後地震は、昭和に起きた大地震ということもあり、悲惨な震災経験が語られた本が京都の図書館にはおかれています。京都にお住まいの方には、ぜひご一読いただきたい。涙なしでは読むことができないような厳しい話が書かれています。だからこそ、忘れてはいけません。震災からの教訓もたくさんあります。過去を知り、そして来たるべき次の大地震に備えることが大切だと感じます。北丹後地震や郷村断層についてより深く知りたい方は、こちらのサイトもご参考ください。詳細にまとめられています。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。

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