六角堂のイチョウが散りつつあり、お地蔵さんは暖かそうな帽子をかぶっています。
京都では紅葉やイチョウの色づきはすっかり過去のことになっていますが、ごく一部で遅れて色づいているところがあります。六角堂のイチョウもそのひとつ。ビルの谷間にあるため例年色づきが遅く、今年も12月半ばに見頃となりました。こうして遅くまで楽しませてくれる場所があるのも嬉しいですね。現在はもう散り始めています。
六角堂は聖徳太子が創建したと伝わる古寺で、平安京の道が通る際に北へ退いたという話や、縁結びの柳の伝説でも知られます。境内には鳩が多いのも特徴で、しゃがむと餌をくれると思ってかたくさん寄ってきます。この時期は寒そうにじっとしている姿も。境内の奥の池には白鳥もいて、生き物に癒される都会のオアシスのようでもあります。
お堂の左手側には大小のお地蔵さんが並んでいて、冬の時期は頭に手づくりと思しき帽子をかぶっています。どなたかが心をこめて作って奉納したのでしょうか。お地蔵さんの大きさが異なってるのに、それぞれの頭にはちゃんと収まっているので、大きさも考えて作ったのかもしれません。何気ない風景に、温かい心を感じられました。よければ足を延ばしてみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。