京都と火災 恐ろしい地震火災

消防士の活躍も光る
前回、京都の過去の大火においても乾燥と強風が大きな要因となっていたことを書きました。今回は、現代でも大いにリスクがある地震火災についてまとめます。

京都市消防出初式 車両行進ビルや燃えにくい建物が増えている現代でも恐ろしいのは「地震火災」でしょう。地震火災は通常の火災よりも燃えやすいという特徴があります。地震が食事時に襲い、同時多発的に火災が発生すれば、消火が追いつかなくなる可能性も高くなります。さらに地震で家屋が道路に倒壊すると消防車両も入って来にくくなります。あるいは防火水槽や水道管が地震で破損すると、水が出ないこともあります。耐火建築と呼ばれるものは確かに表面は燃えにくいですが、地震によって損壊して内部が露出すればそこは燃えてしまいます。さらにはビルや瓦礫が、かまどのような役割を果たして、コンクリートのビルさえも炎に包まれるということも過去の震災時の事実としてあり得ます。

消防出初式 一斉放水注意点は、強風が吹いている場合は風下には逃げないこと。前回のブログで書いたように、江戸時代の大火の記録を鑑みると、強風が吹いている日であれば炎は鴨川程度の幅は飛び越えて燃え広がることもあります。地震火災によって、恐ろしい被害が発生したのが関東大震災でした。条件が悪かったのは、台風が日本海にあるという風が強い状況下で多数の火災が同時発生したことです。多くの人びとが逃げた避難先が炎に包まれ、数万人が一度に亡くなるという凄惨極まりないことが起こりました。天明の大火での教訓のように、風向きは気象の変化とともに徐々に変わるため、避難所に逃げれば安心とも限りません。また火災旋風と呼ばれる炎の渦が生まれてより被害が大きくなるという可能性もありますので、火の動き、風向きには常に警戒をしておく必要があるのです。

北丹後地震そして火を消すのは揺れが収まったあと。揺れている最中は無理に消しに行ってはいけません(というより震度7では揺れによって体の自由が奪われます)。反対に揺れが収まれば真っ先に火を消しましょう。家族が下敷きになっていればすぐに助けたくなるのが人情ですが、昭和初期に起きた北丹後地震の時には家族を助けようとする間に、小さな火が大きくなってしまい、結果的に家族を炎が迫る中で見殺しにせざるをえなかったという、いたたまれない話もあります。まずは手に負えるうちに火を消してから、家族を助けるようにして下さい。地震はいつやってくるかわかりません。地震に伴う火災がどれほど発生するかは、地震が発生する時間帯によって大きく変わるため、どんな状況で遭遇するか、生死を分けるのは運もあることでしょう。しかし、いざという時に少しでも生き残る確率を上げるために、日頃から関心を持って頂ければと願っています。糸魚川の火災は決して他人ごとでなく、現代の京都や他の地域でも条件が悪ければさらにひどいことが起こりうるかもしれないということが、前回・今回のブログで伝わればと思います。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。

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