12月に8年ぶりに京都検定1級を受験し、再び合格しました。今回から1級に複数回合格をすると京都検定マイスターとして表彰されます。
8年前、26歳の時に合格をしている京都検定(京都・観光文化検定試験)の最高難易度である1級。1回受かっていれば十分だと思い、以来受験をしていませんでしたが、今回から複数回合格者が「京都検定マイスター」として表彰されることになりました。というわけで、昨年の12月に8年ぶりに1級を受験。先日合格発表があり、無事に合格をさせていただきました。
京都検定1級は、前回の合格率がわずか1.8%しかなく、受験された方からは難しすぎるとの不満の声も出ていました。その反動か、今回は合格率が10.4%と大幅に易しくなりました(世間的にはまだ難しいかもしれませんが)。150点満点中、80%の120点以上で合格となります。今回の私の得点は「140点」で、得点率は93.3%でした。私は漢字が大の苦手で、今回もいくつか漢字を間違えましたが、漢字間違いは残念ながら1点ではなく「0点」にされているようです(配点は1問2点)。年に1度の試験に一生懸命臨まれている方も多い中で、非情ですね。
それはさておき、8年ぶりではありながらも2度目の合格となり、「京都検定マイスター(1級の複数回合格者)」になるという目標は達成できました。そのこと自体は喜ばしいことですが、正直、京都検定1級は「広範囲の基礎的知識を確実に答えられること」の証明にしかならず、それ以上でもそれ以下でもないと思っています。現業のガイドとして求められる各分野のより深い知識や、なぜその社寺は建てられたのか、人々を引き寄せてきたのか、目の前の行事にどのような意味があるのかなどといった物事の本質的な話や、何よりお客様にとって分かりやすく楽しんでいただける散策・講座を構成できるかということは、京都検定1級とは全く別なスキル。1級は、プロとしてより高いレベルを見据えれば、基礎でしかないといえるでしょう。そして実際にこの目で京都各地の四季の風景を眺め、数多くの行事を見続けてきた経験に勝るものはないと感じています。何年もかけてコツコツと各地を巡ってきた結果、手元には美しい写真や貴重な動画もそろい、京都の魅力をお伝えするための材料は十二分にそろってきました。1級よりもマイスターよりも、はるかに価値があるものが積み重なってきています。
しかしながら、京都ガイドとして世間的に客観的に能力を示すことができる資格は、京都検定のみでしょう。であるならば、私のようにまだまだ若手で肩書きに乏しいガイドにとっては、ひとつの「印籠」になることは確かです。今回その最上位である「京都検定マイスター」を得るため再度受験をすることに、迷いはありませんでした。この肩書きが、今後の仕事にもプラスになることを期待しています。京都検定1級のコンセプトは「京都の魅力を発信でき、次世代に語り継ぐことができる」ことです。これからも引き続き、日々コツコツと京都を歩き、勉強を重ねて、より分かりやすく京都の知識や風景、その限りない魅力と奥深さを散策や講座を通じてお伝えしていければと思っています。今後とも、ご声援のほどよろしくお願いいたします。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。