睡蓮が彩る勧修寺

勧修寺 睡蓮
先日、山科の勧修寺(かじゅうじ)を訪れました。

勧修寺勧修寺は、宮道弥益(みやじのいやます)の邸宅跡をひ孫の醍醐天皇が寺に改めて創建されました。平安時代、山科の地に鷹狩りにやってきた藤原高藤は、急な雷雨にあい、宮道弥益の家に雨宿りのため立ち寄りました。その家でもてなしてくれたのは13・14歳頃の美しい娘・列子(たまこ)。二人は一夜にして恋に落ちました。しかし、高藤は都へと帰らねばならず、必ず迎えに来ると告げて去っていきます。ところが、家の事情がそれを許さず、歳月が流れていってしまいました。6年(5年とも)後、高藤はようやく機会を得て、再び宮道弥益の家を訪ねてみると、列子の傍らには小さな姫君が。この姫君が、後の宇多天皇の女御(藤原胤子)となり、生まれた子どもが醍醐天皇となっていったのです。一夜の契りがのちの時代を作ったという奇跡のロマンスです。

勧修寺さて、勧修寺の境内にある氷室の池はこの時期、花菖蒲や睡蓮などが彩って華やかです。池は「氷室」の名は冠していますが、氷を保存しておく氷室があったわけではないよう。気候的にも、もし勧修寺の場所で氷室ができるならば、気候からして京都のどこでも氷室が出来てしまいそうです。実際には、平安時代の1月2日にはここに張った氷を宮中に献上し、その厚さによって五穀豊穣を占ったといわれています。

勧修寺菖蒲(ショウブ)はアヤメやカキツバタと見分けがつきにくいことでも有名です。花菖蒲の簡単な見分け方は、「花の付け根が黄色くなっている」部分。慣れてくればそれぞれの花も見分けが付くようになります。花菖蒲の中でも細かい種類は豊富にありますが、勧修寺の境内は白系統の明るい色彩の花が多い印象です。

勧修寺氷室池は花菖蒲が過ぎると、一部の葉を白く染めるハンゲショウ(半夏生)が雪降ったような白い姿を見せていきます。境内にはアジサイも多く、京都の名所のひとつに数えられるほど。6月の勧修寺はまさに花が旬な場所で、ほかにも、皇室ゆかりの建物、水戸黄門寄進の灯籠、琵琶湖からやってくる野鳥など、見どころが多いお寺です。是非、じっくりと拝観をしてみて下さい。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。

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