洛北の西賀茂にある神光院は、上賀茂神社の神主・松下能久が「霊光の照らした地に一宇を建立せよ」との神託を受けて創建したとされ、お寺であるのに「神光」という名がつくのもこの伝説によります。ご本尊の弘法大師像は、大師の自作と伝えられ、厄除大師として信仰を集めています(直接は拝めません)。
東寺・仁和寺とならぶ京都三弘法のひとつにも数えられ、かつては縁日の21日に参拝をしたり、四国八十八カ所巡りに出る前に立ち寄って、道中の支度品を用意するという慣わしもありましたが、近年は認知度が低下。2012年から菅笠などをあしらったストラップ型のお守り(各500円)や、京都三弘法まいり専用の朱印帳(700円)を作製し、認知度の再向上を試みています。
行事としては7月のきゅうり封じが知られ、幕末の歌人・太田垣蓮月が晩年を過ごした寺としても有名です。その境内は普段は静かですが、春の桜、秋の紅葉がいずれもたいへん美しい隠れスポットでもあります。今の時期は花菖蒲も小規模ながら咲いてきます。また青もみじも清涼感があり、年季の入ったお堂ともよく合っています。秋はこの光景で赤く色づくのですから、その美しさは想像しやすいことでしょう。機会があれば足を延ばしてみて下さい。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。