北野天満宮では、16日まで御手洗川足つけ灯明神事が行われています。
北野天満宮は菅原道真公をご祭神とし、学問の神として崇敬を集め、この時期は「京の七夕」の会場のひとつとしても賑わっています。近年は境内の改修が進められており、景観が新しくもなっています。そんな北野天満宮では今年は5日~16日まで「御手洗川足つけ灯明神事」が、11日~13日の16時~20時にかけては本殿石の間の特別公開が行われていました。
本殿は慶長12年(1607)年に、豊臣秀頼によって建造されたもので貴重な国宝建築です。本殿としては大型ですが、その理由は本殿と拝殿が一体化をしているため。そして拝殿と奥の本殿との間に位置するのが、今回公開されている「石の間」です。神と人間の世界をつなぐ神聖な場所とされ、これまでは神職しか入れなかったそうで、昨年が初公開。たいへん霊験あらたかな場所へと足を踏み入れることが許される、またとない機会です。
さて、もうひとつの御手洗祭も北野天満宮では聞き慣れない行事でしょう。実は、北野天満宮では江戸時代まで旧暦の七夕に水に足を付けて厄を祓う御手洗祭を大規模に続けてきましたが、明治以降は縮小していたそう。これを現代に合わせた形で再興するため境内に新たに川の流れを設け、昨年から七夕祭の一環で足つけ灯明神事や石の間の公開が行われているのです。
足つけ灯明神事の受付は、絵馬堂で行われています。石の間の公開は1000円(13日で終了)、足つけ灯明神事は300円で、16日までの9時から20時で行われています。まず最初にご利益が異なるロウソクを1本選んで授かり、水みくじも選んで持ちます。そして靴などを脱いで裸足になると、まずは御手洗祭。境内に新たに設けられた川の中に足を浸していきます。御手洗祭といえば、下鴨神社が有名ですが、同じような流れです。深さは下鴨神社よりは浅く、温度もやや高いですがそれでも夏には十分の冷たさを感じることができ、厄も祓われそうです。
ロウソクは川に下りて早々に灯すことができますが、川の先で「水みくじ」を濡らす際にロウソクの火が邪魔になるのと、ロウソクを献じる場所が川からずいぶん先になるため、灯りが消えてしまうことも多いです。また、水みくじを濡らす際には片手に火の灯ったロウソクを持ったまま行わなければならないため、誤って髪の毛を焦がさないように十分にご注意ください。
水みくじを終えて川から上がると、そのまま裸足で歩いて三光門をくぐり、本殿横でロウソクを献じます。火が消えてしまった方も改めてつけることができますのでご安心を。献灯を終えて先へ進むと靴を履くためのテントがありますが、石の間を参拝される方は裸足のまま先へと進みます。石の間の内部は、幻想的で厳かさを感じる空間。写真撮影は不可ですが、多数の燈籠が並べられ、貴重な宝物や狛犬も展示されています。明るい時間帯の方がはっきり見えるかもしれませんが、夜はやはり非日常の感覚が増すでしょう。今年は石の間の公開は終了しましたが、足つけ燈明神事は16日まで行われていますので、この機会に足を延ばしてみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。