記録に残る京都のオーロラ

9月8日夜の京都の空
8日夜は、太陽風の影響で北海道でも赤いオーロラが見られました。歴史上は京都でもオーロラが見られた記録があります。

夜明け前の出町柳手元にある本「京都自然気候(人文書院)」を参照すると、京都でも平安時代以来、20回以上「空が赤く染まった」という記録があるそう。それほど記録があれば、京都でもチャンスが…!と思いたくなりますが、現代の京都は大都市で昔と違って光が多すぎるため、たとえ出ても視認は難しいといわれています。昔の記録では京都のオーロラは「赤気(せっき)」と表現され、「野火」「山の向こうの家事」「赤い旗」のように見えたといいます。極地方から離れた低緯度で見られるオーロラは赤く見えるのです。

高台寺 夜間拝観さて、「京都自然気候(人文書院)」には、明和7(1770)年に現れたの京都の「赤気」の記録が載っていました。「午後10時ころから北西から北東の空に赤気が現れ、月のない闇夜であるのに人の顔がわかった。その色は火のようで、その中に長さが様々な青白い筋が数本北から南へ伸び、その内で長いものは中天に達していた。白い筋はすぐに消えたが、赤気は夜明けまで見えていた。未曽有の天変である(続史愚抄)」と詳細に記されています。

皆既月食と二条城大阪でも同日の記録にこうあるそう。「北の山向こうの城でも燃えているのではないか、と眺めているうちに、だんだん広がっていくとともに、赤さが益々増してきて紫色の筋まで現れてきた。そのうちにこんな光に当たると体に毒だという噂が飛び、道には誰もいなくなった。翌日も見えるかと心配していたが全く現れず安心した。(籠耳集)」 なんとも生々しい記録です。空が赤く染まるというのはさぞ恐ろしかったことでしょう。今回、私もマンションの屋上から北の空の写真を撮ってみましたが、赤くは写りませんでした(トップの写真)。電子機器やGPSの障害は困りますが、いつか記録にあるような光景も眺めてみたいものですね。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。

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