台風21号による強風で、西本願寺の大イチョウのうち1本が大きな被害を受けました。
浄土真宗本願寺派の本山である西本願寺は、例年12月初めに境内の大イチョウが黄色に染まることで知られています。私も毎年にようにブログでご紹介をしてきました。特に御影堂前の横に広がるイチョウは「水吹きイチョウ」と呼ばれ、天明の大火や幕末の元治の大火の際には火の粉を浴び、水を吹き出しながら御影堂が燃えるのを防いだといわれています。なお、横に広がる形は、根が上に広がるが如く見えるため「逆さイチョウ」とも呼ばれますが、実際にはまだ木が小さい頃から剪定が行きとどいていたからだと考えられています(今回写真は省略します)。
一方の阿弥陀堂前にも、こんもりとした非常に大きなイチョウの木があります。こちらは特にいわれは残されていませんが、存在感のあるイチョウの木で、樹齢が200年ほどと考えられています。ちょうど手水屋の水に映る様子が見られ、その美しさは境内でも際立っていました。今回枝が折れてしまったのはこちらの木。その痛々しい姿には、本当に悲しい気持ちになりました。境内ではこの木に特に大きな被害が出ました。
天高くそびえてお堂を守り、周辺に木がない独立した佇まいのぶん、青空との取り合わせも見事でした。今年の1月には雪景色も眺めに行きましたが、まさかこんなことになってしまうとは。風の恐ろしさと、常ならざることを感じます。救いは、昼間で人がたもとを歩く時間帯ではなく、人的被害や貴重な建物への被害がなかったことでしょう。折れてしまったことは残念ですが、この秋も時間を見つけて色づく様子を見に行きたいと思います。それにしても、特に山沿いで倒木の被害は大きいようです。関係者の方々は本当に大変だと思いますが、安全には十分に気を付けて頑張っていただければと思います。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。