先日訪れた、京都御苑内の宗像神社。境内には猫がたくさんいました。
宗像神社は京都御苑の南西にある神社です。この場所は、平安時代には藤原北家の藤原冬嗣が小一条殿という邸宅を構えた地です。冬嗣の孫にあたる明子は清和天皇となる皇子をこの邸宅で生みました。冬嗣は桓武天皇の命令で、九州の宗像大社から宗像三女神を勧請して神社が創建されたと伝わっています。のちにこの場所は花山院家の邸宅となり、宗像神社もその中で受け継がれましたが、明治維新に至り、邸宅は廃されて神社のみが今に伝わっています。
境内には、京都御苑で最も古い樹齢600年といわれる大きなクスノキがあり、毎年夏季にはアオバズクが太い枝に空いた穴に営巣することで知られています。京都御苑管理事務所は、刺激せずに離れてそっと見守るよう呼び掛けていますが、京都御苑という豊かな自然があればこそのこその営みですね。
さて、宗像神社の周辺にはずいぶん前から猫がいました。最近はたくさんは見なかったように思いますが、先日訪れてみるとかなりの数が境内にいました。京都では梅宮大社が猫が多いことで有名ですが、こちらにも相当数います。宗像神社の猫は人とは適度な距離間の印象です。ただ、どういった管理状況化はわかりかねるため、不用意にエサは与えないほうが良いでしょう。京都では一般的に猫のいる場所は変化が大きく、様々な事情で猫が増えたり減ったり、あるいは完全にいなくなったりしています。人間の事情によるところが大きいですが、今後の推移を見守りたいと思います。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。