福知山市夜久野町(やくのちょう)にある宝山(田倉山)は、京都府下唯一の火山です。
京都府と火山というイメージはなかなか繋がりませんが、府下唯一の火山として知られるのが、福知山市夜久野町にある宝山(田倉山)です。場所は京都府の西で、隣はすぐ兵庫県朝来市。山はその境にあり、天空の城として有名な竹田城もすぐの場所にあります。周辺は「夜久野高原(やくのこうげん)」と呼ばれ、宝山の噴火によって生まれた高原地帯が広がっています。夜久野地域も魅力がたっぷりの場所ですので、このブログでも順次ご紹介していきたいと思います。
宝山は標高349.7mあり、地質調査から約38~30数万年前に噴出したと考えられるスコリアからできたとされます。スコリアとは、玄武岩質の黒い軽石で、火口から溶岩がしぶきのように噴出して周辺に積もったものです。こうしてできた火山を「スコリア丘」といいます。夜久野高原は、宝山が3回にわたって噴出したスコリアによって形成されています。
さて、宝山には比較的簡単に登ることができます。夜久野側の山裾に整備された宝山公園の駐車場に車をとめて、そこから山頂に至る遊歩道が整備されています。しばらく登っていくと視界が開けて、夜久野高原が一望できます。ここが宝山の眺望のハイライト。標高200mの高原を眺めながら、自然の力の大きさを感じることができます。
そこから山頂に向かっても歩きやすい道が整備されており、夜久野八十八箇所石仏巡りの石仏が転々と置かれて、何ともいえない雰囲気があります。山頂にも石仏を祀る小屋があり、標高を示す看板があるものの、眺望は望めません。そこからはスギ林の中を下っていき、南の谷の部分に火口が推定されています。この火口は兵庫県朝来市に位置しています。下りは道がわかりにくい部分もあるため、事前に公園入口の地図の入った看板を写真に撮っておくなど、迷わない工夫をされるとよいでしょう。来た道を引き返すのもよい方法だと思います。
宝山は、全体的にはたいへん気持ちの良い散策路です。森林浴やバードウォッチング、春には桜、秋には紅葉などが楽しめ、条件が整った秋の朝には雲海も眺めることができるそう。四季折々での自然が楽しめる場所です。夜久野高原に訪れる際には、登ってみるのもおすすめです。
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吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。