12月2日・3日に、鳴滝にある三宝寺で大根焚きが行われました。今年もご案内で訪れました。
鳴滝の三宝寺は洛陽十二支妙見の「戌」の寺やペット供養の寺としてご存知の方もおられるでしょうか。京都の寺院の中でもマイナーな部類に入りますが、創建は江戸時代のはじめという日蓮宗の寺で、春の桜や秋の紅葉が美しく、金映山妙護国院三宝寺という意味深な名称と豊臣秀頼と淀殿の供養塔も残されているなど、見どころの多いお寺です。
大根焚きは、日蓮上人を偲ぶ祈祷会と御会式(おえしき)に合わせて行われ、三宝寺では、日蓮上人、日朗上人、日像上人の御真骨を御開帳し、一年の罪汚れを落とす「厄落としの祈祷」が行われます。三宝寺は普段は静かなお寺ですが、大根焚きもある法要の時には多くの参拝者で賑わい、一般の方でも気軽に参拝をして大根焚きをいただくことができます。団体での参拝や特別祈祷を申し込まれると、日蓮宗の大荒行を満行された荒行僧による御祈祷をしていただけます。
三宝寺の大根焚きでは柚子(ゆず)の皮を混ぜた「柚子ご飯」も一緒にいただくことができるのが特徴です。三宝寺によると、大根焚きは日蓮上人より伝わる中風除けの秘法とされ、柚子も体を温める良薬として日蓮が珍重したものなのだそう。柚子ご飯とは珍しいですが、まさに今の時期の旬の食材です。
こちらのお大根はよく味が染みていて、私が京都中10カ所ほどの大根焚きを頂いてきた中でも一番といってよいおいしさです。何か秘訣があるのかは分かりませんが、青首大根をお使いのようです。柚子ご飯は、口に入れると芳しい柚子の香りが広がります!ご飯だけでもパクパクと食べられます。一緒についているお漬物を食べるとさらに柚子の香りが強くなります。大根も柚子ご飯も美味な三宝寺の大根焚きは、例年12月の第1土日に行われており、福王子の交差点から無料の送迎バスも出ています。今年は終了してしまいましたが、機会がありましたら、足を延ばしてみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。