知る人ぞ知る「犬」ゆかりのスポット

霊源院にて 木村英輝さんの絵
2018年は戌年ということで、犬にまつわる場所が各所で紹介されています。今回は、他のホームページではあまり紹介されてない知る人ぞ知る場所をご紹介します。

三宝寺社寺の多い京都には十二支にまつわる場所が様々にあります。戌年であれば、犬の像がある善峯寺や鳴滝の三宝寺、伝湛慶作の明恵上人遺愛の犬の像も人気で(なお、像は近年、運慶作ではなく湛慶作が有力とされています)、弘法大師の高野山開創にちなむ二匹の犬の像がある泉涌寺の即成院も紹介される機会が増えました。伏見稲荷大社の裏にある「いなり大神」の十二支の像は毎年の定番でもあります。

今宮神社もっとマニアックな場所となると、十二支の像でいえば長岡京市の小倉神社にもあり、彫刻では本圀寺の清正公廟にも戌の彫刻があります。今は時期ではありませんが、祇園祭の鷹山の「犬のおみくじ」も高い人気を得ています。また、今年は戌の絵馬も各神社で授与されていますが、今宮神社の場合は、これまでも若宮社の安産の御利益にちなんで、犬の絵馬を授与されていました。口をへの字に曲げた表情がかえって可愛らしくもあります。犬はお産が軽いとされ、安産祈願の信仰とも繋がります。

大原神社安産祈願といえば、京都府北部の福知山市三和町大原地区にある大原(おおばら)神社は、平安時代から安産祈願の信仰があり、今でも戌の日に参拝される方が多いと聞きます。境内には犬の像も置かれています。祇園祭の綾傘鉾の町内にある大原神社とも関係があり、祇園祭ファンの方は足を延ばしてみるのもよいでしょう。ただし、神社の駐車場に至る道が非常に急こう配のため、積雪や路面凍結には十分にご注意を。近くには全国的にも貴重な「産屋(うぶや)」が残されており、大正時代までは妊婦が七日七夜この産屋の中にこもって出産し、産後の体を癒したといいます。大原神社については、遠からずブログで紹介するかもしれません。

水火天満宮 ペット足形健康祈願京都の街中、堀川通紫明下るにある水火天満宮では、ペットの健康祈願で小型の色紙にペットの足形を押して祈願できるものもあります。つまりペットを連れて境内に入ることもOKですので、散歩がてら参拝することもできるでしょう。色紙にはすでに犬の足形があしらわれているのも面白く、肉球を食紅の朱肉につけて押します。足の裏が赤くなってしまうので、親切にペット用のウェットティッシュも置かれていました。

霊源院新春の特別公開では、建仁寺の霊源院で1月1日~3日と6日~8日で公開があり、ご住職さんの愛犬「ミニー」ちゃんにちなんで戌の御朱印を授与していただけたり、キーヤンで知られる木村英輝さんが特別に描いたミニーちゃんの絵が茶室に掲げられています。まさに戌年のお正月ならではの場所ではないでしょうか。霊源院は6月~7月の甘茶の花が近年人気で、そのころには多くの方が訪れますが、お正月は空いています。また、七福神のひとりである毘沙門天像も公開されており、開運祈願にもふさわしいでしょう。なお、ミニーちゃんは拝観場所にはおらず、直接触れ合えるわけではありませんのでご注意ください。

県神社のぺぺ宇治の県神社には愛犬の「ぺぺ」がおり、気まぐれに自由に境内を歩いている時があります。常にいてくれるわけではありませんので、出会えたらラッキーです。それなりの年齢に達しているそうで、個人的には見かけるたびにまだ元気でいてくれたと思っています。今年も多くの観光客を癒してくれたら嬉しいです。以上、まだまだ探せば犬ゆかりの場所はありそうです。狛犬巡りなども楽しいでしょう。犬好きの方には嬉しい年になりそうです。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。

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