まだ香るロウバイと水辺の水仙

水仙の花
先日、伏見を訪れると、まだロウバイが香り、宇治川派流(琵琶湖疏水)沿いには水仙も咲いていました。

ロウバイ冬の時期の数少ない彩りといえばロウバイ。今年は厳しい寒さの日が続いているため、ロウバイの花も見ごろが長くなっています。反対に梅はなかなか咲いて来ません。ロウバイの名前の由来は、黄色から白みを帯びた花弁がまるでロウのようであるからとも、旧暦12月の別名である蠟月(蝋月:ろうげつ)の頃に咲くからともいわれています。確かにその花弁は美しい蝋細工のようにも見えてきます。現代では年明け頃から見頃を迎える花です。

伏見港公園ただ、実はその「梅」の名は偽りで、梅の仲間ではなくロウバイ科という独自の種族。香りもよく、この時期の数少ない彩りのひとつです。今年はまだ各地で見ごろが続いており、先日訪れた伏見の宇治川派流(琵琶湖疏水)沿いにも咲いていました。寒い時期に見かけるとホッとするような存在でもあります。

水仙の花一方、伏見港公園の付近には水仙がまとまって咲いていました。スイセン属の学名は「Narcissus(ナルキッソス)」で、ギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスに由来します。ナルキッソスは様々な相手から誘いを受けるものの高飛車にはね付けてしまい、恨みを買いました。そして呪いをかけられて、水面に映った自分の姿を愛するようになってしまうのです。ナルキッソスは叶わぬ思いに苦しんで、ついには亡くなり、そのあとにはうつむきがちにスイセンが咲いたと神話は伝えています。実は自分の美貌に酔う「ナルシスト」という言葉も、このナルキッソスから来ています。水仙にまつわる話は奥深いものがありますが、神話を思わせてくれるという意味では、水辺に下を向いて咲く姿がふさわしいのかもしれません。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。

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