紅葉で名高い東福寺。冬の時期はカエデも葉を落とし、枝ぶりが際立ちます。通天橋を囲む枝もこれはこれで見事ではないでしょうか。冬の禅寺は修行の場という雰囲気も高まって、個人的には好きな空間です。今年は「京の冬の旅」で、禅堂と経蔵が公開されており、禅堂は日曜日朝6時からの坐禅会に一般の方も参加できるため、内部を目にする機会がなきにしもあらずですが、経蔵は初公開とのことです。
室町時代の1347年に建てられた禅堂は、現存する最古最大の参禅の場で、400人以上の雲水(禅僧)が一度に修行をすることができたそう。内部の大きさを目にすると、その様子はさぞ壮観だっただろうと実感できます。何百年と受け継がれてきた貴重な空間です。
さらに、「京の冬の旅」では薩摩藩と西郷隆盛ゆかりの寺として即宗院も公開されています。途中の偃月橋(えんげつきょう)も趣があり、徳川家康が征夷大将軍に任ぜられた慶長8(1603)年の架橋で重要文化財です。橋の天井には棟札がありますので、見上げてみてください。来月の14日~16日には涅槃会もあり、巨大な涅槃図に加えて、龍吟庵や三門も公開されます。まだ「京の冬の旅」の公開も行われている時期のため、おすすめの期間です。よければ足を延ばしてみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。