宇治の平等院では、4月9日まで夜間特別拝観(ライトアップ)が行われています。
平等院は鳳凰堂が10円玉の図柄となっていることでも知られ、平安時代の貴重な建物が残る世界遺産として国内外から多くの方が訪れる寺院です。鳳凰堂は平安時代中期の1053年の建立で、醍醐寺に残る京都府下最古の五重塔と並び、平安時代をしのべる建物としてこの上なく貴重です。近年の修復で創建当初とされる色彩を取り戻しました。
鳳凰堂は藤原道長の子、藤原頼通によって建てられた平安貴族の力の結晶とも言うべき建物。交通の要衝である宇治橋・宇治川のたもとにあり、数々の戦火にも巻き込まれましたが、奇跡的にその姿を現在にとどめています。建物はもちろん国宝ですが、内部の阿弥陀如来像をはじめ、鳳凰堂だけで6件もの国宝が指定されているという、まさに日本国の宝の中の宝ともいうべき存在です。お堂が10円玉に描かれているのは有名ですが、1万円札に描かれた鳳凰も実は平等院のもの。硬貨と紙幣の両方に用いられるのも納得の、この上なく貴重な存在です。
平等院の一般向けのライトアップはなかなか開催されてきませんでしたが、昨年秋に行われ、今回は春の桜の季節のライトアップとなりました。秋にはかなりの混雑でしたが、春は比較的に人は少なく、遅咲きの紅枝垂れ桜や新緑を入れながら鳳凰堂の写真を撮ることもできました。秋にはライトの強弱がありましたが、今回はありませんでした。
そして人気の鳳凰堂の正面は、入れ替え式となり、列に並べば確実によい場所に近づけるのが秋との変更点。これでより多くの方にご覧いただけることになったでしょう。写真の撮影が主眼になりがちですが、ぜひ阿弥陀様の姿もご覧いただき、参拝をしてみてください。なお、三脚や一脚は使用できませんのでご注意ください。人出は後半ほど空いてきます。最終入場は20時45分で21時閉門です。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。