嵯峨野の二尊院では、美しい新緑と二尊院普賢象桜に出会うことができます。
二尊院は、天台宗の慈覚大師・円仁によって平安初期に創建された寺院で、正確には小倉山二尊教院華台寺といい、鎌倉時代の釈迦如来像、阿弥陀如来像の二尊をお祀りするところから、二尊院の名がよく知られています。入り口の立派な総門は、伏見城の薬医門を移築したものと伝わり、そこから続く一直線の参道は「紅葉の馬場」と称されて、晩秋には多くの参拝者で賑わいます。
新緑の時期も大変見事で、静かに歩くことができ、京都らしさを感じられる場所のひとつです。近年修復を終えた本堂の裏には、射干の花が咲き、清涼感あふれる眺めを見せています。法然上人ゆかりの寺でもあり、詳しくは省略しますが、二尊の本尊は善導大師が説かれた二河白道(にがびゃくどう)の話が元になっています。法然上人の湯上りのくつろいだ姿を描いたという「足曳きの御影」も有名で、絵師が法然上人が足を出した姿をこっそりと描いたものの、法然上人が念じると描かれた足がひっこんだとの伝説があり、模写を本堂で目にすることができます。墓地には、角倉了以をはじめとする角倉家や、伊藤仁斎・東涯の墓があるなど、見どころも多い寺院です。
現在、本堂の北側(向かって右)では「二尊院普賢象桜」が咲いています。二尊院の名を冠した珍しい桜で、花弁は130枚ほどになるそう。千本ゑんま堂に伝わる、ゑんま堂普賢象とは違う系統の普賢象桜で、たいへん珍しいものです。今週後半まではご覧いただけると思いますので、足を延ばしていただくのもおすすめです。
散策・講座のお知らせ
※散策・講座等のご依頼はこちらから!お気軽にご連絡ください。
- 4月21日(土)【受付中!】
建仁寺の牡丹とキリシマツツジ 何かが起こる知恩院の大鐘楼へ - 4月21日(土)【講座を受付中!】
【特別講座】京都三大祭「葵祭」 ~動画と写真で知る京都最古の祭礼~ - 4月25日(水)【講座を受付中!】
京都の定番スポット徹底解説!秘められた人々の思いと物語 清凉寺 - 4月29日(日)【まいまい京都さんで受付中!】
【大原】青苔きらめく東洋の宝石箱、三千院から乙が森へ - 4月29日(日)【まいまい京都さんで受付中!】
【大原】汀の桜散りしきて、大原の奥にたたずむ寂光院・諸行無常の物語 - 5月2日(水)【まいまい京都さんで受付中!】
【永観堂】青もみじ輝く初夏の名刹、南禅寺天授庵から永観堂へ - 5月6日(日)【まいまい京都さんで受付中!】
【三室戸寺】見渡す限りつつじ色、圧巻の花景色が広がるツツジ寺へ - 5月12日(土)【まいまい京都さんで受付中!】
【御所東】寺町通5つの古社寺めぐり、清浄華院から廬山寺、下御霊神社まで - 【受付準備中!】5月2日(水)午後、5月15日(火)午前・葵祭
- NHK文化センター京都教室で受付中!
京都の魅力を徹底解説!プロガイドが教える定番から穴場まで - NHK文化センター梅田教室で受付中!
四季の京都を楽しもう!~プロ観光ガイドと歩く散歩道~ - 講座資料を販売中!
京都講座の過去資料を販売しています。
ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。