台風12号の進路が定まってきました。特に海からの直撃を受ける東海地方や西日本の被災地では厳重に警戒をしてください。
台風12号は、27日21時現在、中心気圧965hPa、中心付近の最大風速40m/sの強い勢力となっています。今後さらに発達をし、強い勢力を維持したまま、日本へと接近をしてきます。今回は東から西へと進む特異な進路のため、風の吹く向きや強い雨の降る場所が通常と異なります。自然の地形は頻度の多い自然現象に対応していることが多く、イレギュラーで激しい現象は思わぬ災害を起こす危険があります。気象庁も「これまでの経験が通用しない場合がある」と会見しているように、台風の詳細な統計がある1951年以降では、初めてといっていい進路で、かつ強い勢力で接近をしてきます。気象に詳しい人間でも経験をしたことがない動きで勢力も強いため、どのような被害をもたらすのか想定が難しくなっています。厳重に警戒をしてください。
風は台風の接近に伴って急激に強まりますが、風圧は風速の2乗に比例するという法則があります。風速が5m/sから10m/sになると風速の数字上は2倍ですが、風圧は2×2=4倍になっています。同様に5m/sの風が15m/sになれば圧力は9倍に、20m/sになれば圧力は16倍になるのです。つまり、風は風速が増すほど急激に恐ろしくなりますので、特に暴風域に入っている時は外出は控えて、雨戸は閉めるなど、飛来物への対策も行ってください。
雨についても、台風の大雨は流域全体に面的に大雨を降らせるため、比較的大きな河川でも洪水リスクが高くなります。台風は西日本に進むと速度を落とす予想のため、雨量がかさむ恐れもあり、先日の大雨の被災地を中心に厳重な警戒が必要です。河川の洪水危険度は、気象庁ホームページの「洪水警報の危険度分布」で詳細に確認できますので、時中にはご確認ください。また、東海や近畿では夜間から明け方にかけての最接近となるため、明るいうちに避難をしていただくのもよいでしょう。気象台や自治体からの情報や実況には十分にご注意ください。なお、京都旅屋の28日の散策は開催しますが、29日の散策は中止する可能性があります。中止の場合は個別にご連絡をさせていただきます。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。